愛知民報

【16.02.28】名古屋市 新年度予算案 名古屋城天守閣木造化、リニア関連開発 大型事業優先

共産党 組み換え求める

名古屋市の河村たかし市長は、19日に開会された市議会2月定例会に2016年度予算案を提出しました。一般会計は1兆856億100万円(前年度比1・2%増)です。「稼げる街」を掲げ、名古屋城天守閣の木造復元、リニア中央新幹線関連の開発、国際展示場建設など大型事業推進が特徴です。日本共産党市議団は予算案の抜本的な組み換えを求めます。(本紙・村瀬和弘)

「強い名古屋」

 名古屋市は「国際的な都市間競争を勝ち抜く、大きく強い名古屋」を掲げ、大型事業を推進しています。
 「観光・コンベンション」の予算が前年度比26・9%増で、69億6449万8000円。「名古屋城天守閣の整備検討」の予算は2987万8000円が盛り込まれました。その内容は、市民向け説明会やアンケートを行うというものです。
 河村市長が「アジア最大級と打ち出している国際展示場については、第1展示館(港区)の移転整備に関わる事業者選定や調査の費用2600万円を盛り込みました。
 テーマパーク「レゴランド」(港区)開業に合わせた市営駐車場整備など、金城ふ頭の開発の予算は前年度の3倍、15億6697万6000円です。

スーパーターミナル

 「市街地整備」は前年度比25・3%増で223億7867万4000円。「ささしまライブ24の整備」をはじめとした都心部再発事業は前年度より約40億5000万円増の120億7822万円と膨れ上がっています。「リニア中央新幹線開業を見据えたまちづくりの推進」は予算倍増の2億3900万円。河村市政は「世界に冠たるスーパーターミナル・ナゴヤ」の実現を掲げ、名古屋駅とその周辺開発に夢中になっています。

若者の願いに背

 給付型の私立高校奨学金(教育委員会要求)、奨学金返還支援制度を含む若者定着支援事業(市民経済局要求)の予算は計上されず、若者の切実な願いに背を向けました。

一定の要求反映も

 福祉予算では、「年金生活者等支援臨時福祉交付金」75億7000万円が盛り込まれていますが、全額国費です。
 ひとり親や生活保護家庭の中学生学習支援事業などの?子どもの貧困?対策や、学童保育の家賃補助引き上げ、中学校に配置されるスクールカウンセラーの増員・拡充が行われます。市民要求の一定の反映です。

日本共産党名古屋市議団 市政懇談会

 
 日本共産党名古屋市議団は12日、市民から市政への要望を聞く懇談会を開き、新年度予算案、自民公各党の議員報酬引き上げなどに対する同党市議団の態度を明らかにしました。

小学校給食委託化反対 市長は推進の態度

 
 名古屋市は4月から、荒子(中川区)、大清水(緑区)、西山(名東区)各小学校で、直営の給食調理業務を民間業者に委託する計画です。
 保護者らでつくる「なごやの給食をよりよくする会」は19日、民間委託中止を河村市長に申し入れました。同会会長の新村(しんむら)洋史名古屋芸術大学名誉教授は「食育は、知育・徳育・体育の基礎をなすもの」と述べました。参加した保護者は「子どもたちに、安全、安心な給食を食べさせたい」「アレルギー対応を誤れば子どもの命が奪われる」ときめ細かい配慮を訴えました。委託化反対の署名は1万4000人分を超えています。
 河村市長は、「民間の方がいい。なんで公務員がいいのかわからん」と委託化推進の態度でした。
 申し入れには日本共産党の青木ともこ、さはしあこ、さいとう愛子、高橋ゆうすけの各市議が同席。青木市議は「退職者不補充による経費削減が狙い。市議会で撤回を要求します」と話していました。