愛知民報

【15.07.05】バルク港湾破たん寸前 無謀な大型開発 きっぱり断念を 名古屋港管理組合議会議員(日本共産党名古屋市議)山口清明 

 
 名古屋港管理組合議会の6月定例会が6月9日から11日まで開かれました。4年ぶりに同議会で複数議席を回復した日本共産党議員団から私が本会議質問に立ち、高橋ゆうすけ議員も委員会質疑に立ちました。
 名古屋港(名港)の大型開発計画の柱である国際バルク戦略港湾施策が破たん寸前であることが明らかになりました。
 バルクとは石炭や鉄鉱石、小麦や大豆などの?ばら積み?貨物のことです。名古屋港は4年前に国からトウモロコシの輸入拠点港に選ばれ現在、「特定貨物輸入拠点港湾」に指定されています。
 名港管理組合はバルク施策として、総事業費2360億円をかけ東海市の北浜ふ頭沖67?を埋め立てて新食糧コンビナートを造成しました。船舶の大型化への対応として、泊地(船舶を停泊させる水域)の深さを現在の12?から14?、さらに17?にする計画を国に提出。調査費などを計上してきました。
 ところが、今年度はバルク関連予算が1円も計上されていません。提出された名古屋港の港湾計画改定案では10年後も北浜ふ頭泊地の水深は14?です。
 私は「バルク施策はどうなったのか。国へ出した計画と港湾計画との整合性もとれない。予算計上しないのは施策が行き詰まったからではないのか?」と質問しました。
 当局は「トウモロコシの取扱量は現在の150万?から200万?に増えると推計しており、今後も名古屋港の国際バルク戦略港湾施策の実現に向け、TPP協定を始め穀物輸入をめぐる動向等を注視しながら取り組む」と答弁しました。
 「行き詰まった」とは答えませんが、バルク関連用地の埋立計画の具体化もできず、泊地を深く掘り下げる工事にも手をつけられません。立ち往生しているのは明白です。
 名古屋港の総取扱貨物量は約10年後には約2億5000万?へ伸びると推計していますが、トウモロコシの比率はわずか0・8%です。そのために2360億円もかけるような埋め立てやしゅんせつが必要でしょうか。
 いまなら間に合います。バルク関連の大型事業はきっぱり断念すべきです。