愛知民報

【14.06.15】公営住宅、家賃補助の充実を 反貧困ネットあいちがシンポ

 県内で貧困問題に取り組む弁護士、司法書士、研究者、ボランティアらでつくる「反貧困ネットワークあいち」が7日に名古屋市内で行ったシンポジウムで、パネリストをつとめた川田菜穂子大分大学准教授は「住宅政策の再構築は貧困の抑止・生活再建の切り札」と強調しました。
 川田氏は2000年以降、大都市の路上生活者が減少する一方で、ネットカフェや「違法貸しルーム」に寝泊りする不安定居住者が拡大していることを指摘しました。
 また、同氏は「勤労世帯の可処分所得における家賃や住宅ローンなど住宅費の比率が増えている」と述べ、特に母子世帯で滞納が発生しやすくなっていることを紹介。公営住宅や家賃補助、公的保証人制度の充実を訴えました。
 一級建築士の福田啓次さんは、住宅産業活性化中心の公的助成を「住むため、暮らすため」の助成に発展、強化することを提言。井上英夫金沢大学名誉教授は、憲法の「居住移転の自由」は「医療、福祉、教育、所得の保障があって実現される」と力説しました。