愛知民報

【13.11.03】秘密保護法 秘密は戦争の始まり 国民の知る権利を奪う

 安倍内閣は今臨時国会で国民の知る権利を奪う「秘密保護法案」を成立させようとしています。そのねらいは、防衛・外交をはじめ国の重要問題で、国民の目・耳・口をふさぎ、日本を「海外で戦争する国」につくりかえること。広範な国民から大きな反対の声が広がっています。愛知県内でも広範な市民団体が、希代の悪法を阻止しようと、いち早くたたかいにたちあがっています。

県弁護士会が反対デモ

 
 10月16日夜、名古屋市内で「知る権利を侵す秘密保護法反対」の声が響きました。同法案反対を訴える愛知県弁護士会のデモ行進です。250人が参加しました。
 マイクをにぎった内河惠一(よしかず)弁護士は「国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の憲法3大原則を破壊するものだ」と同法案を批判しました。

事実上の 9条改憲

 27日には、名古屋市内で同法案反対の市民集会が開かれ、400人が集まりました。
 呼びかけ人の中谷雄二弁護士は、「本当の秘密は軍事」と指摘しました。憲法学者の本秀紀名古屋大学教授は、秘密保護法制定は、「秘密は戦争の始まりである」と述べ、事実上の9条改憲であり、戦争体制づくりだと強調しました。
 日本共産党の井上さとし参議院議員が緊迫する国会情勢を報告しました。
 自民・公明は?戦争司令塔?をつくる国家安全保障基本法案(日本版NSC)とセットで秘密保護法の成立をねらってます。

行政情報も 闇のなかに

 愛知県政に「県民が監視できない闇が広がる」と指摘するのは林信敏元県議。「航空宇宙や国民保護の分野の行政情報は軍事関連として秘密にされ、県政の軍事化や税金の無駄づかいをチェックできなくなる」と言います。

幅広い共同で 廃案に

 日本共産党は10月18日、「国民の知る権利を奪う『秘密保護法案』に断固反対する―『海外で戦争する国』づくりを許さない」との声明を発表し、民主主義破壊の悪法に反対する一点での幅広い共同を呼びかけました。
 平和団体や労働組合、日本共産党、新社会党、社民党(オブザーバー)が参加する「憲法と平和を守る愛知の会」は10月26日、名古屋市中区栄で宣伝・署名活動をおこない、秘密保護法案を廃案に追い込もうと呼びかけました。

かつての暗黒政治の再来  ジャーナリスト会議東海 代表幹事 大西五郎さん

 秘密保護法案は、国家が情報を統制して民主主義の根幹をなす国民の知る権利や言論・報道の自由を奪うものです。
 この法案は自衛隊とアメリカ軍との情報共有と保護が出発点で、集団的自衛権の行使容認など憲法9条を壊し、日本がアメリカといっしょに戦争する国づくりの一歩です。これを許せば、在日米軍基地に核兵器が持ち込まれたとしても、国民にはわからなくなります。
 日本にはかつて、戦争中に軍機保護法という法律がありました。軍事上の秘密の保護が目的とされましたが、一般人も対象とされ、海岸で写真を撮ったり写生しても、そこに軍事施設があるとスパイ行為と疑われ取り締まられました。そして「壁に耳あり、障子に目あり」という標語のポスターが町の至る所に貼られ、国民を戦争に駆り立てたのです。
 かつての暗黒政治の再来を許さないためにも、法律の制定に反対していきましょう。

身近な自治体情報も秘密 全国市民オンブズマン 連絡会議事務局長・弁護士 新海聡さん

 秘密保護法案で一番元気になっているのは警察です。特定秘密は、愛知県警の情報も警察庁長官が指定できるというものです。県警が持つ情報をテロとつなぎあわせれば特定秘密に指定できます。
 行政は国だけで動くわけではありません。国の情報を地方公共団体に提供するとき、地方の職員も管理の対象にされ、マスコミも取材できなくなります。
 警察情報も原発情報も容易に対象にして、情報を公開しないということがきっちり決められる法案です。
 テロ対策の観点で情報が特定秘密になると、何でもない情報も自治体が出さなくなる可能性があります。すでにテロ対策の名目で携帯電話の基地局の位置や民有地の下の水道管の位置をで公開しない自治体もあります。我々が知らないうちにここまで来ていて、秘密保護法はそれをダメ押ししようとするものです。(10月27日、秘密保護法反対市民集会での発言から)