愛知民報

【13.10.06】愛知県議会 横行する税金私物化 

 減税日本、自民党、民主党の愛知県議の政務調査費の不正受給が相次いで発覚しています。県政の監視役・日本共産党議員が1人もいない愛知県議会にはびこる公金私物化。「共産党の進出で県議会刷新を」の声が強まっています。

ムダづかい正せるか

 
 議員の地元事務所職員の給与を水増ししたり、出席していない会合の参加費をでっちあげたりして、政調費をかすめ取る――。
 オンブズマンやマスメディアの指摘で、県議の政務調査費不正受給、不適正な使いみちが判明しました。自民党と減税日本の県議は辞職しました。
 県の政調費条例には議長の調査権が明記されていますが、行使されたことはなく、空文化しています。
 議会議長や副議長の自民県議自身が、県政の調査研究とは無関係の政治資金パーティー代や霊感商法の統一協会系の勝共連合の機関紙代に政調費を充てている有り様です。
 県議会の自浄能力が失われています。これでは県政の不正やムダづかいを正すことはできません。

請願を門前払い

 いま愛知県議は96人(定数103、欠員7)。自民47、民主24、減税日本一愛知16、公明6、無所属3です。
 県民が県議会に請願を出すには1人以上の議員の紹介が必要とされています。ところが、全議員が、県や国の政策に批判的な請願の紹介を拒否し、陳情扱いとなる事態が続いています。陳情は議会の議案とされず、採決の対象になりません。
 県の福祉医療改悪反対、保育・学童保育の公的責任と補助拡充、少人数学級の実施拡大、消費税増税中止など県民の要望が陳情扱いにされ、県民から「憲法が保障する請願権の侵害」との批判が起きています。

福祉切り捨て

 大村県政は2011年10月、県議会の主要会派代表が参加している「愛知県行政合理化推進会議」に、県の半額補助で市町村が実施している子ども・障がい者・母子父子家庭などの医療費無料制度に患者一部負担金や所得制限を導入する有料化計画を示しました。
 行政合理化推進会議は、福祉・県民サービス削減をふくむ「行革」を行政・議会一体で推進する仕掛けです。
 弱い立場にある145万人以上の県民に負担増を押し付ける大改悪計画なのに、議会から撤回を求める声は聞こえてきません。
 これにたいし、日本共産党は改悪反対を県に申し入れ、県民の反対運動が広がりました。立ち往生した大村知事は一部負担金導入の見送りを表明しました。しかし、知事は改悪の「議論、研究」は続けるとしています。
 福祉医療制度の維持・拡充を求める県民の運動と連携する日本共産党の議席回復が求められています。

改革のキメ手は共産党の議席回復 日本共産党愛知県委員会 自治体部長・元県会議員 林信敏

 日本共産党議員のいない議会はここまで堕落するのか――。政調費不正は、県議会に公金を食いものにする犯罪的状況がはびこっている実態を明るみに出しました。
 2009年の政権交代で民主党政権ができましたが、公約違反が相次ぎ、「自民も民主もダメ」の流れが広がりました。この時流に乗る形で、自民党衆院議員だった大村知事は自民党を離れ、民主党を離れた河村名古屋市長と連携し、知事選に勝利しました。県議選では大村知事与党の減税日本一愛知の会が第3党に躍進しました。
 しかし、大村知事の県政は「庶民革命」どころか、補助金バラマキなど露骨な大企業応援政治であり、自民党政治の枠内でした。その一方で、県民に痛みを強いる医療費無料制度の有料化をねらい、県内農業を破壊するTPP参加を推進しています。
 県議会の監視力・批判力は弱まり、県民の生活難をよそに県議の公金私物化の不正まで発生しています。
 県民不在の県政と県議会を変える決め手は、ずばり日本共産党の県議会進出です。