愛知民報

【13.06.16】アベノミクス 県民生活直撃 大増税中止の審判を 

 安倍政権の経済政策・アベノミクスによる円安、物価の高騰が経済の混乱を招き、県民の営業と暮らしを直撃しています。労働者の賃金は安倍内閣発足後も前年比マイナスです。このうえ消費税増税と社会保障の連続改悪。日本経済の底がぬけてしまいます。

下がり続ける賃金

愛知県統計。事業所規模5人以上、毎月決まって支給される給与。各年3月の支給額。
 

暮らしたいへん 値上げラッシュ

 生活必需品で、原材料を輸入に頼っている商品の値上げは深刻です。小麦粉、食用油は軒並み値上げ。ハムやソーセージは、内容量が減らされ、実質的な値上げです。

 小麦粉の高騰はパンの価格を押し上げています。大手製パン会社はいっせいに7月1日出荷分から、食パン、菓子パンなど2~7%の値上げを発表しました。名古屋市に本社を置く敷島製パンは4~6%の値上げ。自社の公式ホームページで「企業努力だけでは、従来の同等の品質を保ちながら価格を維持することは極めて厳しい状況」と述べています。

 円安による原材料高騰は、じわりじわりと家計に悪影響をおよぼしています。

 3月以降、毎月値上げが続く東邦ガス。さらに5月30日、7月検針分から平均的な家庭(ガス使用量31立方?)で、前月比で76円の値上げを発表しました。

 中部電力は4月分から毎月値上げ。7月検針分から平均的な家庭で前月比87円値上げすると発表しました。

 ガス、電気料金の値上げは業務用にも及び、製造業、サービス業などの違いをこえてコストを押し上げます。その影響で消費者物価が一気に高騰する危険があります。

 暮らしを守る道は、労働者の賃上げや社会保障の充実、消費税の増税中止など、国民の所得を増やすことしかありません。

輸入原材料高騰 商売なりたたず

 輸入原材料の高騰で、零細業者は廃業の危機に追い詰められています。

 北名古屋市の豆腐製造・販売業者(70)は「大豆は安い時期は1俵(約60??)5000円だったが、数年前から7000円以上になったまま。油代も3割ほど上がった。円安がこのまま続くと商売にならない。安倍さんの政策は弱い者いじめだ。消費税があがったら廃業せざるを得ない」と語気を強めました。市内で10年前に5軒あった豆腐屋は今では2軒だけになりました。

 一宮市のケーキ屋は「洋菓子の原材料は輸入品ばかり。今回の円安でチョコレート、バター、小麦粉が大幅に値上がりしました。ケーキは嗜好品だから、価格を上げれば売れなくなる。安倍さんは私たちの営業のことをもっと考えてほしい」と訴えました。

所得増やし景気回復を 日本共産党 もとむら伸子参院愛知 選挙区予定候補

 日本共産党の、もとむら伸子参院愛知選挙区候補は連日街頭に立ち、アベノミクスの暴走を批判。「国民の所得を増やし本格的な景気回復を実現しよう」と呼びかけています。

 消費税増税の中止、賃上げと安定した雇用、中小企業支援、社会保障の大規模な削減路線の転換など、同党の政策を紹介。

 安倍内閣による「解雇自由化」など労働法制大改悪の動きをきびしく批判し、「いま求められるのは安定した社会の土台となる、人間らしく働けるルールの確立です」と訴えています。

円安に苦しむ県内業界団体――怒り、悲鳴

 本紙は愛知県内の業界団体に電話し、円安による影響を聞きました。 

トラック協会

 軽油の取引価格が高止まりし、厳しいところに円安が襲いかかりました。円安が1円すすむと業界全体で170億円コスト高になるんです。荷主企業に「運賃を上げてください」なんていえる状態ではありません。
 先月は全日本トラック協会として自民党本部に乗り込み、燃料費補助や燃料特別付加運賃の制度化を求めました。

公衆浴場業生活衛生同業組合

 木材を燃料にしているところもありますが、重油ボイラーで沸かしているところが多い。円安で燃料価格が高騰し経営を直撃しています。
 公衆浴場は大人400円の公定価格なので、コスト高をお客さんに転嫁することは不可能です。何とかしてほしい。

養鶏協会

 卵の価格は安値安定なのに、飼料代が史上最高の高値になっており、儲けがでません。
 飼料の主力は輸入物のトウモロコシと大豆。円安に加えてアメリカの干ばつ、トウモロコシ減産で“二重苦”です。
 養鶏業者はヒナを増やすのをためらっており、古い鶏をひっぱって使う傾向があります。