愛知民報

【13.06.09】「安全な原発はない」 県民共同のたたかいで固執勢力を追い詰める

 原発ゼロをめざす広範な国民の運動が、原発固執勢力を大きく追い詰めています。福井県の敦賀原発2号機は、原子力規制委員会が真下に活断層の存在を認定しました。想定される東海地震の震源域にある静岡県の浜岡原発は「世界でもっとも危険な原発」と指摘され、東日本大震災後に全基の運転を停止しています。「日本に安全な原発など存在しない。政府は原発再稼働・輸出をやめろ」の声が広がっています。
 

 6月2日に東京で開かれた原発ゼロ共同行動では、6万人が国会を包囲。原発再稼働・輸出を推進する安倍晋三内閣に「原発いらない」「再稼働反対」の声を突きつけました。

 愛知県内でもたたかいが広がっています。毎週金曜日に名古屋市の関西電力東海支社前で行われている大飯原発の再稼働抗議は1年以上継続。広範な住民と日本共産党が共同する「浜岡原発いらない東三河の会」が運動を続けています。

 多くの地域で原発ゼロをめざすパレードや集会が、継続的に取り組まれています。

 市民グループが昨年3月に福井県の美浜原発付近から1000個の風船を飛ばしたところ、多くの風船が愛知県内に落下。福井県で原発事故が起きれば、愛知県内の広い範囲に放射性物質が拡散する恐れを示しました。

 岐阜県が行ったシミュレーションで、敦賀原発で福島原発と同規模の事故が起きたら、愛知県北西部が高濃度の放射性物質に汚染される恐れがあることがわかりました。 

ヨウ素剤備蓄を 日本共産党一宮尾北地区副委員長 板倉正文

 岐阜県の放射性物質拡散シミュレーションは、一宮市など尾張北部地域にとって極めて重大な事態に陥ることを示しました。

 一宮市の日本共産党は原発事故に備え、放射性物質による甲状腺被害を防ぐ安定ヨウ素剤を市が備蓄するよう求め、約2000人の請願署名を議会に提出しました。安定ヨウ素剤の投与はチェルノブイリ原発事故の教訓でもあります。

 署名集めでは、子育て中の親や保育士、幼稚園教諭などが協力し、運動の輪が広がりました。

 岩倉市では安定ヨウ素剤の備蓄が始まっています。一宮市でも早く実現させましょう。

愛知県防災計画 原発ゼロの立場なし 県民から厳しい意見

 愛知県は5月30日の県防災会議(会長=大村秀章知事)で、原子力災害対策計画を策定しました。しかし、同計画には「原発ゼロ」の立場はありません。

 計画は、県境から約55??東の浜岡原発、約82??北西の福井県の美浜原発や敦賀原発などでの事故を想定。

 対策では、風評被害対策、原子力防災の知識の普及と啓発、情報の収集・緊急連絡体制及び通信の確保、環境放射線モニタリングの実施と結果公表、県外からの避難者受け入れなどを明記。緊急時に投与する安定ヨウ素剤の配布、備蓄は具体的な目標の明記を見送りました。

 事前に募集したパブリックコメント(市民意見)には、「原発の重大な事故が想定されるならば、なくすことが第一義的な防災施策だ」「県として原発の再稼動に強く反対するよう求めます」などの意見が寄せられていました。

 しかし県は「原子力発電所の存否および再稼動は、この計画に係る内容ではない」とつっぱねました。

 県は放射性物質拡散シミュレーションにも否定的。「ハザードマップ的に活用した場合、誤った安心を与える」「現時点で必ず必要と考えていない」との見解を示しました。