愛知民報

【13.05.19】大村県政 地方分権改革「提言」 道州制の受け皿づくりをねらう

 大村秀章知事の愛知県は4月19日、「さらなる地方分権改革に向けた提言」を発表しました。この提言は、財界が強く要求し安倍政権が推進する道州制導入を促進するとともに、現在の県のあり方を住民福祉増進から大企業利益増進の機関に先行的に変質させるものです。

 提言の冒頭で、大村知事は、閉塞感の打破へ「国のかたちを抜本的に変えなければならない」として、道州制を「地方分権の究極の姿」と位置づけ、国の仕事を外交・防衛など主に対外的機能に特化し、地方は内政を担うという機能分担を主張しています。

 この見地は、対米従属・財界中心の自民党型政治がもたらした政治と経済のゆきづまりを統治システムの問題にすり替え、地方制度の反動的再編をねらうものです

 提言が国に求める地方への権限・財源移譲や義務づけ・枠付けの見直しは、大企業中心の誘致政策や開発行為の規制緩和と財源確保です。福祉拡充のための要求は見られません。

 道州制のもと、市町村は「基礎自治体」に合併・再編され、州政府の下請機関にされます。

 日本経団連は「2017年度の道州制導入」を主張し、自民党道州制推進本部は今国会への道州制基本法案提出を検討中です

 大村知事の提言は、地方サイドから道州制導入を促進し、自治体をその受け皿に変質させる動きです。(林信敏)