名古屋港のコンテナターミナルが巨大地震による大津波に襲われたらどうなるか。港湾労働者の安全は確保されているか、野積みされている輸送用コンテナが流出する危険は…。本紙記者は11日、同港のコンテナターミナルの地震津波対策を調査した日本共産党の一行に同行しました。(本紙・村瀬和弘)
名古屋港のコンテナターミナルでは、年間約4700万?のコンテナ貨物を扱っています。コンテナの個数は年間約262万個にのぼります。
日本共産党の、西田とし子衆院愛知4区予定候補、もとむら伸子参院愛知選挙区予定候補、名古屋港管理組合議員の山口清明名古屋市議は飛島ふ頭(飛島村)と鍋田ふ頭(弥富市)のコンテナターミナルを訪れました。
両ターミナルの岸壁の高さは3・4?です。ところが、3月末に内閣府の有識者会議が発表した南海トラフを震源とする巨大地震・津波の最大想定は3・6?~3・7?。現在の岸壁を上回りました。震度も6強~7と最大級です。
鍋田ふ頭の運営会社の北地幸二業務部長は「地盤沈下する分をふくめれば最大6?の津波に対応しなければならない」と語っています。同ターミナルに、地上高12?で、200人が一時避難できる津波タワーを建設中です。
飛島コンテナふ頭の福原篤総務グループ次長は「液状化、地盤沈下が怖い。飛島ふ頭は人が住んでいる地域と離れている“島”。橋が落ちれば孤立する」と不安を語ります。
日本共産党の西田さんらは、従業者の安全確保を要請しました。
コンテナの流出防止対策も課題になっています。海上輸送用の大型コンテナは長さ12・2?、自重4?あります。東日本大震災の被災地では、津波に押し流されたコンテナが建築物を破壊しました。
NHKニュースが、名古屋港のコンテナが津波に乗って人家を破壊するシミュレーション映像を流し、住民に衝撃を与えました。
コンテナターミナルに東日本大震災クラスの津波がきた場合、押し流されたコンテナが建築物に衝突し人命を奪う凶器と化すおそれもあります。
担当者から説明を聞く(左から)山口、西田、もとむらの各氏=11日、鍋田埠頭
避難誘導が課題 山口清明名古屋市議の話
避難施設が確保されたことは一歩前進です。コンテナトレーラー運転手の避難誘導が今後の課題です。緊急時に対応できるよう、避難訓練を繰り返し行う必要があります。