愛知民報

【12.03.18】原発ゼロへ 各地で「一点共闘」広がる 名古屋「明日へつなげる大集会」5000人

 
 東日本大震災、福島第1原発事故から1年を迎えた11日、全国各地で犠牲者の追悼と復興支援、原発撤退を求める集会やパレードが行われました。愛知県では名古屋、豊橋、岡崎、刈谷、瀬戸、尾張旭、春日井、あま各市などで、市民の共同集会や宣伝署名活動が行われ、約7000人が参加。日本共産党は行動成功に積極的な役割を果たしました。野田佳彦首相は11日の会見で、定期検査中の原発の再稼働にむけてあらためて意欲を示しており、原発撤退にむけた国民の「一点共闘」を大きく広げることが求められています。

 名古屋市中区の久屋広場では「明日へつなげる大集会」(同実行委員会主催)が行われ、約5000人が参加しました。俳優の松田美由紀さんがゲストとして登壇し、「子どもたちに負債を残してはいけない。何もできないとあきらめるのではなく、力を合わせよう」と訴えました。

 街頭などで集めた約500人分の寄せ書きで「さようなら原発 つなげよう未来」と書いた30メートル×20メートルのビッグフラッグ(応援用の巨大な旗)を広げてアピールしました。

 会場では、不要品販売、託児スペースも設けられ、被災地復興支援活動の紹介や放射能から子どもを守る活動、自然エネルギー研究の展示など多彩な催しが行われました。

 若い参加者も目立ち、自作の絵本を販売していた女性(25)は「売り上げを被災地に送り、子どもたちに元気を与えたい」。宮城県で海水浴場の清掃ボランティアをしている男性(29)は「被災者から津波にあった体験を直接聞くと胸が詰まる」と話しました。

 日本共産党のテントでは、復興支援ボランティアの活動、原発からの撤退と浜岡原発の廃炉を求める活動などをパネル展示で紹介。かわえ明美衆院東海比例予定候補者らが多くの集会参加者と対話し、原発撤退署名も寄せられました。

 集会後、繁華街をパレードして市民に被災地復興と原発撤退を訴えました。

 豊橋駅前では、日本共産党も参加する「浜岡原発いらない東三河の会」など4つの市民団体が共同し「なくそう浜岡原発東三河集会」を開き、800人が参加しました。

 福島第1原発がある同県双葉町から安城市に避難している男性が「私は原発は絶対に必要ないと言い切りたい」と発言。各団体代表の発言やステージ企画、パレードも行われました。

浜岡は廃炉に

 
 中部電力は、全機停止中の浜岡原発(静岡県御前崎市)の津波対策工事を今年12月までに終え、運転再開をめざしています。主な工事は海抜18メートル、延長1・6キロメートルの防波壁建設、原子炉建屋やタービン建屋の防水化、緊急用海水取水設備の設置、緊急用発電機の高台設置などです。

 しかし、同原発は、向こう30年以内に発生確率87%と政府も認める東海地震の想定震源域の真上にあり、原発の敷地内には4本の断層が存在。地盤そのものが崩壊し、原子力プラントが破壊される危険も指摘されます。

 いま東日本大震災を受けて地震規模の想定拡大が検討されています。最新の世論調査では静岡県民の68%が再稼働に反対。日本共産党は危険な浜岡原発の永久停止・廃炉を呼びかけています。

ストレステスト 「安全性確保されぬ」 井上哲士参院議員の追及に枝野経済産業相

 
 日本共産党の井上哲士参院議員は9日の参院決算委員会で、福島第一原発事故の原因究明がないままの原発再稼動は論外だと追及。政府が再稼働の条件としているストレステストの第一次評価の中身をただしました。

 斑目春樹・原子力安全委員長は「総合的安全確認は不十分」と答弁し、ストレステストはあてにならないことが明白になりました。

 また井上氏は、再稼働の焦点となっている関西電力大飯原発3、4号機(福井県)が第一次評価で「妥当」とされたことについて、原発立地域が断層の巣といわれていることを指摘。枝野幸男経済産業相は「ストレステストをやったから安全性が確保されるわけではない」と答弁。政府の再稼動の論拠が崩れました。

 井上氏は「再稼働はやめるべきだ」と強調しました。