愛知民報

【11.11.06】戦争基地強化ノー 小牧市で平和県民集会

空中給油機の覚書 自衛隊が米軍に

 
 航空自衛隊小牧基地の機能強化反対、軍用機のアクロバット飛行反対などの要求を掲げた、小牧平和県民集会が10月30日、同市内で開かれました。

 尾張中部地区労働組合総連合の藤山譲司議長が同集会実行委員会を代表し「小牧基地に空中給油機KC767が4機配備されるなど、自衛隊の侵略的機能強化が着々と進んでいます。自衛隊空中給油機による米軍機給油はどんな名目でも許されない。小牧基地を米軍の支援基地にしてはならない」とあいさつしました。

 日本共産党の井上哲士参院議員は、防衛省から入手した「空中給油訓練に関する航空自衛隊と太平洋空軍との間の了解事項に関する覚書」の現物を手にして「防衛省は重大な『覚書』を1年間も明らかにしなかった。平和を願う県民の願いを踏みにじるような態度は許されない」ときびしく指摘しました。

 さらに井上氏は「小牧基地が戦争基地として強化されていることはきわめて重大。航空自衛隊がアメリカと一体になっていつでも戦争できる訓練体制を作るのが『覚書』です。アラスカで行う空中給油訓練は、他国の領土に進出しておこなう憲法違反の戦闘行為そのもの。『覚書』は撤回させましょう」と訴えました。

 集会後、参加者らは小雨が降る中、「名古屋空港の軍事基地化はやめよ」「戦争加担の米軍機への空中給油はやめよ」「軍事費を震災復興にまわせ」などと唱和しながら同市内をデモ行進しました。

 小牧基地門前で集会実行委員らが採択された宣言文を同基地司令あてに届けました。

「覚書」撤回を 平和委員会、日本共産党が防衛省に申し入れ

 自衛隊が米軍との間で、航空自衛隊の空中給油機が米軍機に給油できる「覚書」を締結していた問題で、愛知県平和委員会が先月12日に、日本共産党愛知県委員会が先月19日に防衛省と交渉しました。

 県平和委員会の矢野創事務局長は、「覚書」の内容が小牧基地の関係自治体に説明されていないなどと抗議。省側は「基地強化にあたらないので説明していないが、申し出があれば可能な限り対応する」と述べました。

 共産党の本村伸子県常任委員は「米軍と一体で軍事行動を行うための外堀を埋める作業で、憲法を踏み越えている。何が起こっているのか、国民の前に明らかにすべきだ」と指摘し、給油の中止を求めました。