愛知民報

【11.08.07】伊勢湾軍事化 海外派兵にらむ 機雷掃海艇 へり空母など相次ぎ入港 「戦争の訓練場にするな」

海上自衛艦 くらま
 自衛隊を「動的防衛力」と位置づけ、海外派兵体制を強化している民主党政権のもとで、伊勢湾や名古屋港の軍事利用が広がり、平和運動関係者から「伊勢湾、名古屋港を戦争の訓練場にするな」の声があがっています。

 今年2月3日、三重県松阪港に、海上自衛隊横須賀基地所属の掃海母艦「うらが」(5650トン)や掃海艇「まえじま」など8隻が入港。4日から6日間にわたり松阪市沖の伊勢湾で機雷敷設・除去訓練を行いました。海自掃海部隊は1992年、湾岸戦争時のペルシャ湾で、米軍指揮のもと機雷除去作業に従事した“実戦経験”があります。

 総取扱貨物量全国1(2009年度)の商業・貿易港の名古屋港に米海軍や海上自衛隊の艦艇の入港が常態化しています(別表)。







軍艦の名古屋港入港(隻)
米軍艦 自衛艦
2002年 4
2003年 6
2004年 1 2
2005年 14
2006年 1 5
2007年 1 3
2008年 1 2
2009年 1 9
2010年 1 4
2011年 2
(2011年は7月末まで)



 昨年8月には伊勢湾での洋上訓練のため海自横須賀基地所属のヘリ空母「ひゅうが」(1万3900トン)、イージス艦「こんごう」(7250トン)など13隻が集結し洋上訓練を実施しました。名古屋港には「こんごう」など4隻が、軍艦マーチの演奏に出迎えられて入港しました。

 今年に入っても海自艦艇の入港が相次ぎ、7月22日には海自佐世保基地所属の護衛艦「くらま」(5200トン)が入港。これまで名古屋港への入港は、「伊勢湾の防衛担当」の横須賀基地所属の艦艇でした。佐世保基地所属の艦艇は初めてです。

 名古屋港へは1984年以降、米艦艇の入港はありませんでしたが、2004年に20年ぶりに入港。06年以降は毎年のように入港しています。

 昨年11月には核兵器搭載可能なトマホークミサイル装備の米海軍のイージス艦シャウブ(9200トン)が入港しました。

 愛知県平和委員会の矢野創事務局長は「戦争を遂行する空母群の護衛が任務の日米イージス艦の入港は海外派兵をにらんだものです。市民に親しまれる名古屋港の軍事利用は許せません」と話しています。

核兵器搭載の照会 河村市長が拒否 名古屋港管理組合 山口清明議員の話

 昨年11月の名古屋港管理組合議会で、管理者の河村たかし名古屋市長に対し、米艦艇の入港に際し、米軍に核兵器搭載の有無を照会するよう求めました。

 河村市長は「国が非核三原則を堅持するといっているから寄港を認めた」と、これを拒否しました。

 河村市長は、市民や港湾労働者を守る管理者の資格に欠けるといわざるをえません。