愛知民報

【11.03.06】道州制・「中京都構想」関連資料

「平成の楽市楽座」減税アイチ 減税ナゴヤ 大村ひであき」より

 大都市を中心とする広域エリアが国際的な競争に打ち勝つようグローバル企業を誘致・育成し、自由な経済・金融活動を通じて、成長を達成し財政を豊かにする。
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 日本では、東京エリア、大阪エリア、名古屋エリアの3大都市圏に広域連合的なモデル地域を立ち上げ、道路、鉄道、港、空港、IT(情報通信)網などの社会インフラを集中的に整備する。
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 愛知・名古屋を国の一律・横並びの規制・制度の軛(くびき)から解き放ち、日本でもっとも進んだ自由で競争を促す制度・政策を導入します。あわせて最も理想的な県土、愛知・名古屋の絵姿を描いて集中的な投資を行います。そして日本はもとより、全世界からヒト・モノ・カネを呼び込みます。
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 愛知・名古屋には、モノ作り産業を筆頭に、世界に誇れる産業力、経済力、文化力、地域力が蓄積しています。こうしたアイチ力・ナゴヤ力を世界に発信・全開し、たとえ日本が長期低迷に沈んでしまっても、愛知・名古屋だけは生き残る戦略をとるのです。
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 今こそ、県・市合体の中京都によって強力な司令塔を設け、すべての企業および経済活動の自由を保障し、広義の税負担を軽減することで優秀な人材、高度の技術に裏打ちされたモノ、豊かなカネを呼び込みます。
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 「平成の楽市楽座」の第一弾として、愛知県民税の10%減税を断行します。これを呼び水に、あらゆる経済主体を域内に誘致するのです。個人と法人のバランスのとれた体系とします。減税財源には当然、県・市合体の合理化の果実を充てるのは言うまでもありません。これこそが今の閉塞感が充満した日本社会・経済にとって、最大で最高の景気対策と確信します。

「日本共産党2011年いっせい地方選挙政策アピール」より

 民主党政権がめざす道州制は、こうした企業誘致に必要な基盤整備や道路、港湾、流通などのインフラ整備をもっと大規模に進めることができるようにしようというものです。その先取りというべき動きが、大阪・橋下知事の「大阪都構想」や名古屋・河村市長らの「中京都構想」です。福祉など住民の生活に関わる仕事は市町村や区(基礎自治体)や地域委員会に放り投げて、「都」は政令市・周辺市の権限と財源を吸い上げて巨大企業の基盤整備に重点投資するという計画がすすめられようとしています。

日本共産党・志位和夫委員長の演説より(2月21日、大阪府。「しんぶん赤旗」2011年2月24日付掲載)

 「住民の福祉と暮らしを守る」――これが地方自治体の原点です。ところが、自民党政権が進めてきた「地方行革」、民主党政権が引き継いだ「地域主権」、聞こえはいいのですが、この名のもとに進められている中身は何でしょうか。
 一方で、住民の福祉と暮らしのための自治体独自の仕事は投げ捨て「官から民へ」の掛け声で、保育園、学校給食、公立病院など、自治体が責任をもって担うべき大事な仕事を民間まかせにしてしまう。
 他方で、「大企業を呼び込めば、そのおこぼれで地域が栄える」。こういって、大企業呼び込みのための誘致補助金やインフラ(基盤)整備に巨額の税金を投入し、やれ「道州制」をつくるとか、やれ「大阪都」をつくるとか、財界のもうけに都合のよいように自治体を大規模化していく。
 この二つがセットになって、自治体を自治体でなくしてしまう。こんなのものは、「地域主権」でも何でもないですね。自治体を財界のもうけのための僕(しもべ)にしようというが正体だといわなければなりません。