愛知民報

【10.10.24】愛知の民生費43位 自民・民主・公明の県政で全国最低クラス 

 愛知県知事選は来年2月6日投票の日程が決まりました。自民党と民主党はそれぞれ総務省の高級官僚出身者を候補者に決めました。両党や公明党が「オール与党」体制でおこなってきた愛知県政の特徴を、総務省統計局の『統計でみる都道府県のすがた』の全国47都道府県の比較データで見てみました。

教育予算43位

 愛知県の神田知事と自民・民主・公明3党は、財界の要求する2005年の中部国際空港開港と愛知万博開催に力を集中するため、県独自の健康福祉予算を削ってきました。

 県独自で市町村におこなっている健康福祉の補助事業は98年度129事業364億円でしたが、08年度には63事業307億円に減りました。県民の3割が加入する市町村の国民健康保険への県補助金は98年度の24億円から今年度1億7000万円に削減されました。

 万博開催・中部空港開港の前と後を総務省統計の04年版と10年版を比べると、全国38位だった民生費は43位に、老人福祉費は34位から40位に後退しました。

 人口10万人当たりの医師・看護師数も36位と40位。老人ホーム数も45位となっています。教育予算も43位と全国最低クラス。福祉が万博、空港などの大型公共事業の犠牲にされた形です。

 1世帯当たり1カ月の実収入(単身を除く2人以上の勤労者世帯)はどうでしょう。全国平均53万4200円に対し、愛知県は51万8900円で30位。全国1の工業生産高を誇り、大企業は潤っているなかで勤労県民は低い収入にあえいでいます。

愛知県の全国順位

 項目 2004年版  2010年版 
民生費(人口1人当たり。県・市町村合計)   38位  43位
老人福祉費(65歳人口1人当たり。県・市町村合計)  34位  40位
児童福祉費(17歳以下人口1人当たり。県・市町村合計)   34位  37位
教育費(人口1人当たり。県・市町村合計)   41位  43位
小学校数(6~11歳人口10万人当たり)   44位  44位
医療機関に従事する医師数(人口10万人当たり)   32位  36位
医療機関に従事する看護師数(人口10万人当たり)   39位  41位
救急自動車数(人口10万人当たり)   40位  44位
老人ホーム数(65歳人口10万人当たり)   42位  45位

総務省統計局「統計でみる都道府県のすがた」2004年版、
2010年版より

県政を変えれば生活応援厚くなる

 愛知県の今年度の一般会計の予算規模は2兆2450億円。そのわずか1%、224億円を民生用に回せば県民は大助かりです。

 例えば、保険料が高すぎて加入5世帯のうち1世帯が滞納状態になっている市町村の国民健康保険。26億円で98年度の予算額に戻せます。今年度予算で15人分450万円だった正規雇用奨励一時金を100倍に増加して4億5000万円。さらに特別養護老人ホーム建設費補助7億円、医師確保対策費5億円をそれぞれ倍に増やしても計70数億円。224億円のうち、まだ150億円ほど余ります。

 「ムダなダム」と批判の強い設楽ダム建設の県負担は約1400億円。徳山ダム導水路は318億円、こうした浪費を県民生活に振り替えれば財源はできます。