愛知民報

【10.10.03】頼りの病院が縮小 名古屋市西区 済生会病院 地域医療守れと住民運動

 
 名古屋市西区にあり、社会福祉法人恩賜財団済生会が運営する愛知県済生会病院が来年4月から神経内科、整形外科、リハビリ科などの外来と回復期リハビリに特化した入院診察を行うと発表したことから、患者からは転院を求められることが心配されています。

 同病院は股関節の専門病院として有名でしたが、退職医師の補充ができず、今年6月で整形外科の入院を休止。非常勤医による週3回の外来診療だけになっています。

 同病院の病床数は2008年9月に339床から199床へと減らされています。婦人科と耳鼻科は今年4月から診療を中止。済生会病院とともに、地域医療を分担している名鉄病院も8月から分娩を休止しています。

 「地域の医療を守る西区住民の会」は地域にアンケートを配布。「済生会に通っている人の大部分は高齢者。近くて便利に通える病院がなくなったら不安」「家族が世話になった病院が縮小されるのは大変残念に思っています」と要望が寄せられています。

 「住民の会」は16日住民懇談会を開きます。

県はもっと親身に わしの恵子名古屋市議

 
 済生会病院は社会福祉法人が運営していますが、同法人の愛知県会長を県副知事が務めており、公的性格が強い病院です。地域医療の充実を図るという名目で県の補助金を受けています。県はもっと親身になってもらわないと困ります。西区では地元学区にとどまらず、家族の誰かが済生会に世話になっているという人が多くいます。高齢者は遠くへは行けません。開業医の先生方も紹介先がなくなって困られます。「安易に診療をやめないでほしい」と、西区全体の問題として運動をしていきたいと思います。