愛知民報

【10.08.29】河村たかし名古屋市長の議会解散運動 強権政治への道

著名14氏反対アピール 「大義ない」と記者会見

 
 河村たかし名古屋市長の支援グループが議会解散の直接請求署名運動を始めようとする問題で23日、著名14氏(別掲)が連名で「憲法に保障された地方自治を否定し、市長の強権政治に道を開く『議会解散・リコール』に反対しましょう」のアピールを発表しました。

 アピールは、第1に河村市長が「10%減税の恒久化」などを議会が阻んでいるからリコールをおこなうと主張していることはまったく大義がなく、議会の審議権や行政監督権を否定する暴挙だと批判。

 市長の誤りを正すのは議会の正当な任務であり、憲法で保障された「二元代表制」の役割だと指摘。来年4月の定例市議選を前に急いで解散させなければいけない道理に欠けているとしています。

 第2に、河村市長の「市民税10%減税」は「金持ち減税をしない」という公約に反する大企業・金持ち優遇であり、庶民の減税実感は弱く、赤字の中小企業にはほとんど恩恵がないと指摘。

 減税恒久化は、国民健康保険料の引き上げなど福祉・市民サービスの切り捨てや民営化、財政悪化をいっそう招くと述べています。

 第3に、長年続いたオール与党市政のもとで、批判のあった市議会は、市民の視点で議会の役割を果たす議会基本条例の制定や議員報酬削減の協議など改革を進めていると評価しています。

名古屋市民 国保料値上がりに悲鳴 10万人署名運動

 市民の生活悪化、とくに高齢者、障がい者、失業者ら弱い立場の人々のきびしさが増すなか、河村市長は議会解散へ暴走しています。名古屋の市民は暮らしの要求実現を求める運動に立ち上がっています。

 不況と河村減税による税収減少からおきた国民健康保険料の値上げに悲鳴があがっています。名古屋の国保と高齢者医療を良くする会は9月15日から国保改善の10万人署名運動を始めます。

 市民犠牲許すな連絡会は7月、河村市長に、来年度の予算要望書を提出。市営知的障がい者施設「希望荘」の民営化反対の署名運動がおこなわれています。

 革新市政の会は9月から「市民生活アンケート」、「名古屋の中小企業の元気を取り戻そうアンケート」を取り組みます。

 日本共産党名古屋市議団は市民要求アンケート活動を展開。国保料引き下げや中学卒業までの通院治療費無料化、認可保育園増設・待機児解消などの署名運動をすすめます。

アピールを発表した14氏(50音順・敬称略)

池住義憲(立教大学大学院教授)、うのていを(神学研究者)、大島良満(消費税をなくす全国の会常任世話人)、加藤剛(ジャーナリスト会議東海事務局長)、木全和博(真宗大谷派宗議会議員)、倉橋克実(税理士)、後藤周一郎(市議会フォーラム代表)、小林武(愛知大学法科大学院教授)、成瀬昇(元愛知県評議長)、原山恵子(弁護士)、水田洋(名古屋大学名誉教授)、矢崎正一(北病院院長・医師)、山内一征(やまうち内科院長・医師)、若尾隆子(俳優)