愛知民報

【10.05.02】JAL全路線撤退 県営名古屋空港 40万人の足奪うことに 軍用飛行場化の不安も 

 
 日航が全面撤退方針を愛知県に伝えた4月22日、「自衛隊小牧基地強化反対、県民本位の県営名古屋空港を求める会」(赤塚勝宏代表世話人)は「撤退は容認できない」として路線存続を求める緊急声明を発表しました。

 日航の路線といっても運営しているのは子会社の「ジェイエア」。県営名古屋空港内に本社を置き、従業員は約530人。座席数50~60人乗りの小型旅客機で名古屋と国内9都市を結んでいます。

 愛知県は年間20億円を投じ同空港を維持しています。同社には着陸料や事務所使用料の割引、駐車料金5日間無料など手厚く援助しています。

 県営空港の日航路線の利用者は年間約41万人。開港以来、減少傾向の中部国際空港とは逆に、利用者が増えています。路線撤退は、利用者の利便を奪い、地域経済に打撃を与えることは必至です。

 住民が民間路線存続を求める背景には、県営空港の軍用飛行場化と基地機能強化への不安もあります。

 名古屋空港は航空自衛隊小牧基地との軍民共用。日航が撤退すると、自衛隊機の利用割合が大幅に増え、実態は“自衛隊飛行場”に。同基地は自衛隊の海外活動の空輸拠点で、海外派兵の拡大にそなえ空中給油機が配備されています。米軍機も使用しています。

 同空港では自衛隊機の墜落炎上など軍用機事故が頻発しており、住民は軍用の拡大に反対しています。