愛知民報

【10.04.25】名張毒ぶどう酒事件 再審・無罪へ支援を 特別面会人 稲生昌三さんが訴え

 
 奥西勝死刑囚(84)が無実を訴えて第7次再審請求を行っている名張毒ぶどう酒事件について最高裁判所第3小法廷(堀籠幸男裁判長)は4月5日、特別抗告審で、名古屋高等裁判所に審理を差し戻す決定を下しました。

 「1日も早い再審を」「直ちに釈放を」をと16日、名古屋市内で緊急支援集会が開かれました。名古屋拘置所に収監されている奥西さんの特別面会人、稲生昌三さん(71=日本国民救援会愛知県本部副会長)の報告を紹介します。

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 奥西さんからメッセージが届いています。「命のあるかぎり頑張りますので、一日も早く再審開始を決定してえん罪の苦しみを皆さんのあたたかいご支援で晴らして下さいますよう、お願い申し上げます」

 決定の当日に面会に行きました。奥西さんも決定を読んでいました。「今度こそ再審と願っていたが、残念だった。しかし、再審の扉を開ける可能性、一条の大きな光も見える。高裁で真実をきちんとしてほしい」という話でした。

 私たちは釈放を要求しています。青天白日のもとで一日も早く、無実を勝ちとって拘置所の壁の外でお会いしたい。「長生きしなきゃ」と言う言葉に「うんうん」と答えていました。

 奥西さん、弁護団、支援運動ががっちりと団結をして情勢を切り開く時期です。全国に支援を呼びかけ、名古屋高裁に再審開始を求める声を集中しなければなりません。4人の面会人が外の空気を奥西さんに伝え、中の奥西さんの気持ちを皆さんに伝えられるようにこれからも頑張っていきます。

【名張毒ぶどう酒事件】1961年、三重県名張市で起きた毒物混入殺人事件。1972年に死刑が確定。えん罪事件として支援運動が広がっている。