愛知民報

【10.04.04】尾張一宮駅前ビル計画 ハコモノ行政にストップを

 一宮市がJR尾張一宮駅東口に計画している「尾張一宮駅前ビル」計画に対し、市民から「不要不急のハコモノ行政」「中止すべきだ」と批判が上がっています。

尾張一宮駅東口

「新市の顔」

 市の計画によると駅ビルは、地上7階建。民間施設棟のほか、2階以上には中央図書館、子育支援センターなどが入る公共公益施設棟。立体駐車場を設けます。今年度中に着工し、2012年度の完成をめざしています。総事業費48億円。

 同市は建設する駅ビルを旧尾西市、旧木曽川町と合併した「新市の顔」と位置づけています。

大学は進出断念

 民間施設棟の目玉として、「若者を集めて賑わいを取り戻す」と誘致しようとした修文大学(一宮市)は「少子化、不況下で大学経営は厳しい」と進出を断念。
 民間活力導入路線はゆきづまり、血税投入の公共施設中心になりますが、市は建設をすすめるとしています。

借地料35億円

 駅ビル建設予定地はJR東海の所有地。市がJR東海に年間約7000万円の賃借料を支払う契約です。契約期間は50年。支払総額は35億円にものぼります。

 市は今年度予算に、駅構内で営業している店舗などへの移転補償金2億円を計上しました。

不要不急

 市民から「図書館は騒音などのある駅前に図書館はふさわしくない」「財政負担が大きく市民生活への影響が心配」などの批判の声があがっています。

 日本共産党一宮市議団は3月議会で市民から出た、一宮駅前ビル建設中止を求める請願の紹介議員になり採択を求めましたが、与党議員の反対で不採択になりました。

 同市議団は「駅前ビルはどうしてもやらなければならない事業ではありません。大型事業のために子どもや高齢者、障害者のための事業が遅れていきます。駅ビル計画には今後も反対します」と訴えています。