愛知民報

【10.01.17】民主党政権初の愛知県関連予算案 大型事業目白押し かわらぬ大企業「成長」路線

「公共事業見直し」のマニフェストどこに?

 
 民主党の鳩山内閣が昨年12月25日に閣議決定した2010年度政府予算案に盛り込まれた愛知県関連事業を見ると、県民から批判のでている大型公共事業が依然目白押しです。

設楽ダム

 民主党政権が問題があるとして「再検討」の対象にしているのが設楽ダムと木曽川水系連絡導水路の建設計画です。

 国土交通省が愛知県設楽町の豊川上流に建設を計画している設楽ダム(総事業額2070億円)の工事費として、概算要求20億円に対し8億円近く上積みした27億6600万円が盛り込まれました。

 設楽ダムは過大な水需要予測や投資効果の過大評価が次々に明るみに出て、建設の根拠がくずれています。

 しかし、設楽町のある愛知14区選出の民主党の鈴木克昌衆院議員は「予算増額は朗報。予算を上積みして廃止はない」と事業推進を言明しています。

「トヨタの港」

 港湾関係費全体は約25%減となりましたが、自公政権時代が推進してきた大企業のための全国3カ所の「スーパー中枢港湾」の整備費は増額されます。

 名古屋港ではスーパー中枢港湾のモデル事業として2008年から飛島埠頭第2水深バース(岸壁)の建設が始まっています。完成後は自動車部品を積んだコンテナ船が出入港し、「トヨタの港」として利用されます。

第2滑走路

 中部国際空港(2005年開港)の2本目の滑走路建設に向けた需要調査費が計上されました。

 同空港は開港した05年度をピークに旅客数、貨物取扱量ともに年々低下し、中部国際空港株式会社は赤字に陥っています。事業費総額2000億円といわれる第2滑走路建設は無謀です。

木曽川水系導水路

 徳山ダム(2008年運用開始)の水を引く木曽川水系連絡導水路(総事業費890億円)は09年度より減額されましたが、調査費などに5億円を計上されています。

 水需要が減少し“水余り”の状態になっています。名古屋市民を対象にしたマスメディアの世論調査でも8割が不要と答えています。

名古屋城本丸御殿

 名古屋城本丸御殿復元事業に都市公園整備費の形で09年度は1億3千万円の予算をつけました。10年度は「社会資本整備総合交付金」(仮称)として3億円を予定しています。

 河村たかし名古屋市長は昨年の市長選挙では事業計画を見直すかのようなポーズを示しましたが、結局は前市政の計画をそのまま続行しています。

 市の担当者は「本丸御殿は重要な事業」と述べ、交付金の大半を本丸御殿建設費に使う模様です。

「暮らし優先に」 日本共産党・参院比例区予定候補者 かわえ明美

 
 日本共産党は民主党政権に対し、自公政権時代の国民無視の予算からの転換を求めてきました。

 新政権が初めて編成した予算案は、設楽ダム建設費や高速道路整備費の増額など愛知県関連予算を見てもわかるように大型事業費が継続されています。
 大企業のため大型事業と軍事費という2つの「聖域」にメスを入れることが必要です。