愛知民報

【09.11.01】後期高齢者医療 短期保険証628人 高い保険料払えず 無保険状態も

 後期高齢者医療制度の保険料が払えず、正規保険証より有効期間が短い「短期保険証」(短期証)が発行されるケースが県内で10月1日現在628人にのぼっています。この保険制度を扱っている県広域連合のまとめでわかりました。

 保険料を一定期間滞納すると短期証の交付対象にされます。短期証は医療機関の窓口負担は正規の保険証と同じも、3カ月か6カ月で有効期限が切れます。その都度、役所に出向き更新手続きをしなければなりません。その際、滞納分の支払いを求められます。

 県内市町村で短期証の発行件数がもっとも多いのは豊田市。担当者は「広域連合の指示があり6カ月以上の滞納者に短期証を発行した。資産など保険料支払い能力などの調査や面接はおこなっていない」と、機械的に発行していることを認めています。

 広域連合の担当者は「短期保険証を渡す時に保険料の納付計画などを相談するよう通達を出した。どの程度の滞納期間で発行するかは市町村の判断」といいます。

 保険料を1年以上滞納し「悪質保険者」とみなされると、短期保険証も取り上げられ、いったん窓口負担10割の「資格証明書」に切り換えられます。

 愛知県では資格証明書の発行件数はゼロですが、短期証の交付通知を受けた高齢者が役所に受け取りに行かず、手元に保険証がまったくない、無保険状態の高齢者が発生しています。

 豊明市では10月26日現在、3人が無保険状態になっています。広域連合では、こうした無保険の状態を把握していません。

 国民健康保険では、保険料を滞納し、保険証が医療機関窓口全額負担の資格証明書に切り換えられた世帯の子どもが、事実上の無保険状態におかれていることが生命にかかわる事態として大問題になりました。

 いま、後期高齢者医療制度で無保険状態が生れており、新型インフルエンザが流行するなか緊急対策が求められています。

 愛知県後期高齢者医療広域連合議会の田口一登議員(日本共産党名古屋市議)は「無保険状態は命に直結します。高齢者に重い負担を強いる後期高齢者医療制度は即時廃止し、元の老人保健制度に戻すべきです」と話しています。

短期保険証発行(10月1日現在)

短期タンキ保険証ホケンショウ発行ハッコウ
市町村シチョウソンメイ 10月1日
名古屋市ナゴヤシ 8
岡崎市オカザキシ 45
瀬戸市セトシ 25
半田ハンダ 27
豊川市トヨカワシ 46
刈谷市カリヤシ 51
豊田トヨタ 217
安城市アンジョウシ 3
西尾市ニシオシ 3
蒲郡市ガマゴオリシ 18
小牧市コマキシ 41
稲沢市イナザワシ 2
新城市シンシロシ 5
東海市トウカイシ 11
高浜市タカハマシ 12
岩倉市イワクラシ 8
豊明市トヨアケシ 5
日進市ニッシンシ 9
アイ西ニシ 16
弥富ヤトミ 6
東郷町トウゴウチョウ 13
長久手町ナガクテチョウ 4
七宝町シッポウチョウ 11
甚目寺町ジモクジチョウ 23
大治町オオハルチョウ 4
美浜町ミハマチョウ 2
武豊町タケトヨチョウ 6
幸田町コウタチョウ 4
三好町ミヨシチョウ 3
合計ゴウケイ 628
記載キサイのない市町村シチョウソン発行ハッコウなし