愛知民報

【08.12.07】「授業料払えない」 広がる高校生家庭の貧困化

電話相談を受ける教員ら
 県内の高校で、生徒の家庭の「貧困化」が広がっています。

 県立高校の授業料未納者は2001年度末の42人が07年度末は122人になり、3倍に増えました。経済的理由から授業料の減免措置を受けている生徒数は07年度末で9838人。県立高校生の8・41%となっています。

 名古屋市立高校の授業料減免者は13%に上り、職業高校では20%を超えています。職業高校教員は「授業料の他に、教材費や修学旅行積立金など年20万円くらい必要。修学旅行不参加の生徒が毎年増えている」と話します。

 私立高校の授業料滞納も増大しています。名古屋市内の私立高校事務長は「わが校は授業料滞納で、毎年数百万円の欠損を出している。この面も考慮して県は助成してほしい」と語ります。

 教師や研究者らでつくる「憲法と教育を守る愛知の会」が11月26、27両日、教育格差・告発ホットラインを開設したところ、切実な電話が次々とかかってきました。

 「部活合宿に参加したいが母子家庭なのでお金がなくて参加できない」

 「定時制高校の給食補助の基準が厳しくなって、今年度から1割の生徒が補助をもらえない」

 愛知県高等学校教職員組合・原田邦彦副委員長の話 日本の教育予算はOECD(経済協力開発機構)加盟30カ国中で最下位。国・自治体の学校教育費の増額が不可欠です。授業料の引き下げや減免基準の緩和、奨学金制度の拡充、部活など課外活動への補助を図るべきです。

【公立高校の授業料】

 公立高校の授業料は3年ごとに値上げされる。愛知県では80年は月額4800円だったが、01年9000円、07年から9900円に上った。