愛知民報

【08.11.09】名古屋駅前 大資本ビル 公共性に疑問 ガラガラ通路に補助金

 名古屋駅前に大資本が建てた超高層ビルで、国などが巨額の補助金を投入した地下通路が閑散としていることが名古屋市議会で問題になりました。

 10月17日の同市議会都市消防委員会で日本共産党の田口一登議員が取り上げました。

超高層ビルへの補助金


 ビル名称  主な事業主体  補助額 
ミッドランドスクエア  トヨタ自動車・毎日新聞・藤和不動産  18.1億円
名古屋ルーセントタワー  名古屋鉄道・中部電力・トヨタ自動車・住友生命保険・大成建設  37.4億円
スパイラルタワーズ  モード学園・三井不動産   8億円

閑散とする地下通路
 三井不動産とモード学園の共同出資で今年完成したスパイラルタワーズには、国4億円、県2億円、名古屋市2億円、計8億円の補助金が出ています。

 補助の主な理由は公共的通路の整備。スパイラルタワーズとその南側にある三井ビル本館をつなぐ地下通路がそれにあたるといいます。

 地下通路の利用状況を調べた田口議員は「朝夕の通勤以外は人通りがなく、閑散としている」といいます。本紙記者が現場を取材した際も写真のように通行人の姿はほとんどなく、ガラガラでした。
 同議員は「三井ビル本館に出入りする人がほとんど。三井ビルのための連絡通路だ。補助金を出す必要はなかった」と地下通路の“公共性”に疑問を呈しました。

 スパイラルタワーズの北側にあるトヨタ自動車のミッドランドスクエアにも「公共用通路」の設置を根拠に、国、県、市あわせて18億円余の補助金が出ました。こちらの使用状況もはかばかしくありません。
 もうけている大資本のビルが優良建築物整備事業に指定されると固定資産税や都市計画税も軽減されます。
 国や地方自治体が財政難を理由に福祉切り捨てをすすめる一方で、大資本のオフィスビル建設に補助金交付や税金軽減をおこなうのは「逆立ち」です。