愛知民報

【08.07.06】中学生の職場体験 愛知県で事業推進 自衛隊も “戦争動員”の懸念

 「自衛隊の職場体験が広がるのではないか」

 愛知県が今年度、中学生の職場体験事業をほぼ全中学校で実施する計画をしていることで関係者に不安がおきています。

 県は2006年度から中学生に地域の事業所で職場体験させる「出会いと体験の道場」推進事業をおこなっています。

 初年度の参加中学校数は151校で全県の5割、参加生徒数は約2万5千人でした。08年度は約99・7%にあたる302校、生徒数約5万1千人を見込んでいます。

 県は生徒を受け入れる事業所の確保のほか、1クラス4万円の経費補助や生徒の損害保険契約を負担します。

 これまで学校によっては、県内外の自衛隊基地で戦闘車の試乗をふくむ職場体験学習をおこなっています。今回の県による職場体験活動の拡大で、中学生の“戦争動員”につながる自衛隊職場体験が広がるのではないかと心配されています。

昨年 自衛隊基地で中2生、兵器見学

 碧海5市の中学校では昨年2月、24校中13校で自衛隊基地などでの「職場体験」を実施しました。

 ある中学校の場合、初日は、自衛隊員の指導で本宮山登山、翌日は陸上自衛隊豊川駐屯地で部隊食試食や戦車などの装備見学、最終日は航空自衛隊浜松基地で戦闘機の見学をしています。

 中学2年生を持つ母親は「働くことの大切さを学ぶのは大切ですが、自衛隊は止めてほしい」と話しています。