愛知民報

【08.05.25】猿投-高浜断層帯 直下型地震起これば死者約11000人、倒壊家屋30万棟 中央防災会議が被害想定

 政府の中央防災会議の「東南海、南海地震等に関する専門調査会」は14日、豊田市から西尾市にかけての「猿投―高浜断層帯」を震源とするマグニチュード7・6規模の直下型地震が発生した場合の被害想定を発表しました。

東海3県 経済被害33兆円

 中央防災会議は昨年11月、同断層帯の想定地震について死者約1万1千人、倒壊家屋30万棟と発表。今回、ライフライン、交通施設被害などの推計結果を公表しました。
 経済的被害は、建物等の直接被害約25兆円、交通機能や生産停止による間接被害約8兆円の計約33兆円。阪神・淡路大震災の被害総額約10兆円の3倍以上です。

帰宅困難77万人

 冬の正午に発生した場合、愛知県の帰宅困難者は約77万人。停電97万軒、固定電話不通130万回線、ガス供給停止170万戸となっています。
 ライフライン破壊による震災直後の避難者は約243万人、復旧1カ月後でも家屋破壊により約97万人の県民が避難所生活を余儀なくされると想定しています。

交通網寸断

 新幹線の高架橋の倒壊が10カ所、JR在来線・私鉄・地下鉄10カ所、高速道路10カ所、一般国道20カ所で大被害が発生。市町村道も約300カ所が不通になります。
 これらの交通網の復旧まで最長6カ月。新幹線や高速道路破壊による影響は約3・9兆円。約6600万人、4000万トンの物流に影響がでるとしています。

岸壁破壊140カ所

 名古屋港80カ所、衣浦港60カ所で岸壁破壊が起こります。
 名古屋港地区、衣浦地区の石油コンビナートで漏えい事故40件、破損500件が発生するとしています。

住宅耐震改修を

 愛知県防災局の担当者は「人的被害の多くは住宅の倒壊が原因。古い木造住宅は無料耐震診断を受け、耐震改修をしてほしい」と話しています。