愛知民報

【08.04.13】伊勢湾口道路 2兆円の無駄遣い 共産党が追及

道路特定財源論議で浮かび上がり

 道路特定財源をめぐる国会論議で、日本共産党議員がとりあげたのが全国6つの海峡横断道路。「採算性も必要性もない無謀な計画を撤回せよ」という追及に、たじたじの冬柴鉄三国土交通相。「今後(調査を)おこなわない」と答えました。海峡横断道路の一つが愛知の「伊勢湾口道路」です。
 

「調査を中止」 国土交通相

 伊勢湾口道路は、東名高速道の静岡県三ヶ日から愛知県の渥美半島を縦貫して伊勢湾を渡り、三重県の志摩半島にいたる約90キロメートルの自動車専用道路です。

 海上部分には島々を土台に長大なつり橋を架ける構想で、総事業費2兆円。赤字にあえぐ東京湾横断道路(アクアライン)の1兆4千億円を大きく上回ります。

 伊勢湾口道路は、東京―九州間の太平洋側の海峡に長大橋を架けて「国土形成軸」をつくる一環。地元の利便や振興とは無縁の構想です。

 1994年、名神・東名高速といった都市間の高規格道路につながる地域高規格道路の候補路線に指定されました。国土交通省が今年2月に発表した国土形成計画案は海峡横断道路について「調査の推進、計画の推進等熟度に応じた取組を進める」としています。

 無謀な計画に「待った」をかけたのが日本共産党の国会質問です。2月21日、同党の笠井亮議員は調査事業が国交省の天下りやゼネコン幹部が役員をつとめる財団法人「海洋架橋・橋梁調査会」に丸投げされていると追及。国土形成計画を閣議決定しないよう迫りました。

 同省は3月7日、同調査会の解散を決定。国土形成計画の閣議決定も先送りされました。

 冬柴国交相は3月12日、同党の穀田恵二議員の質問にたいし、調査中止を明言しました。

 日本共産党の八田ひろ子元参院議員は「党国会議員団の追及で、道路建設をめぐる浪費と利権の構造が崩れつつあります。3月末で廃止になった道路特定財源と暫定税率の復活を許さず、伊勢湾口道路計画を止めさせましょう」と語っています。