愛知民報

【08.03.23】県営名古屋空港 これでは日米軍用飛行場だ 管制塔空自小牧基地内へ移設

新年度予算案 約2億円

 日本共産党・佐々木憲昭衆議院議員の国会事務所から愛知民報社への情報提供で、防衛省が愛知県営名古屋空港(豊山町)の民間側にある管制塔を基地側に移設するため、2008年度予算案に約2億円計上していることが分かりました。

 県営空港に隣接する航空自衛隊小牧基地は県営空港の滑走路を使用しています。同基地所属のC130輸送機はイラクで米軍支援の空輸活動を展開中。昨年10月には空自F2戦闘機が滑走路上に墜落炎上、11月には米軍F18戦闘攻撃機2機が緊急着陸し滑走路の誘導灯を破壊、ことし2月、3月には小牧基地にKC767空中給油機2機が配備されました。軍事的な動きがつづくなかでの管制塔移設計画の急浮上です。

 管制塔は飛行場を支配する司令塔です。管制塔からの許可なしに離着陸はできません。

 名古屋空港の管制塔は現在、県営空港側にあり、建物は国土交通省、土地は県の所有です。

 2005年2月の中部国際空港開港後、それまで名古屋空港の管制をおこなってきた国交省から委任される形で小牧基地所属の管制隊が管制にあたっています。平和団体は防衛庁(当時)の管制支配は県営空港の軍事優先利用につながると批判してきました。

 今度は、小牧基地が管制塔を丸ごと支配することになります。防衛省の説明によると、移設は08年度に着工。09年度末までに完了する予定。「工事発注との関係で詳細は発表できない」としています。

 県や空港周辺市町への正式説明もまだなし。防衛省担当官は「周辺自治体にはいっさい説明していない。予算案通過後に説明したい」。問答無用の構えです。

 名古屋空港の着陸回数をみると、自衛隊機が民間定期旅客機(ジェイ・エア)の1・5倍。機体の大きさも、空自の空中給油機KC767はジェイ・エアの小型ジェット旅客機CRJ200のほぼ2倍。名古屋空港の主役は自衛隊です。

 近年、米軍機が頻繁に名古屋空港を利用し小牧基地に出入りしています。同基地の日米共同基地化がすすんでいます。

 「県営空港になるからといって自民党県政のもとでは平和利用の保障にならない。戦争支援の拠点空港を県民負担で支えるという軍事的本質をもつ」と批判してきた日本共産党の林のぶとし元県議は言います。

 「空中給油機配備につづく管制塔の基地内移設は本格的な海外派兵に対応した管制体制をねらうものです。管制塔移設・基地強化反対、民間・平和利用優先の県民運動がいよいよ大事です」