愛知民報

【08.01.27】変だよ「森林環境税」?

林業費 大きく減少 「一般財源で措置すべき」

 「森林税、年22億円」。愛知県が導入をめざす「あいち森と緑づくり税」(仮称)を報じた12月14日の中日新聞の見出しです。

 愛知県の森林環境税検討委員会の資料によれば、24県が「森林環境税」「水と緑の森づくり税」などの名称で導入しています。

 愛知県の場合、間伐など森林整備149億円、里山林整備63億円、防災緑地整備などの都市緑化115億円と算定し、森林環境税による森と緑づくりのための新しい施策が検討されています。

 都市緑化策として、「緑や公園がない既成市街地で市町村が民有地を取得する用地費や植栽費」「民有地の建物の屋上・壁面や敷地の緑化促進」「地区道路で、美しい景観をもつ街並み創出」などの新施策をあげています。しかし、その財源として庶民増税が妥当なのか、既存財源で対応すべきではないか、疑問が出ています。

 検討委員からも「環境意識を高める効果を課税にもとめることは適切でない」「個別の施策を抜き出し、単体で追加負担を求める課税はあまりに容易」などの慎重意見が出ています。

 木材の輸入自由化などで森林が放置され、森林機能に支障をきたしてきたことから2001年には森林・林業基本法が定められ、森林の持つ多面的機能の発揮を重視した整備や保全が求められていました。

 しかし、愛知県政は、その方向とはうらはらに、林道や造林を含む「林業の振興」予算は、95年をピークにどんどん減らし、07年度はその半分を割り込んでいます。

 県の検討委員会では「県の最重要課題であるなら、一般財源で措置すべき」の意見が出ました。もっともな意見です。