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愛知における参議院選挙の結果について

2025年7月22日 日本共産党愛知県委員会常任委員会

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 7月20日に投開票された参議院選挙で、愛知県党は、比例代表選挙で「33万票、10%以上」を目標にたたかいましたが、得票で13万7,534票、得票率3・84%にとどまり、比例5議席獲得の責任を果たすことができず、当選に責任をおっていた井上さとしさんの議席を失うことになりました。愛知県党の比例の直近の得票数・得票率、前回参議院選挙の17万8,808票、得票率5・76%、昨年総選挙の17万8,900票、得票率5・52%から後退する結果となりました。

 愛知選挙区は、すやま初美候補が獲得した得票は、14万5,318票、得票率4・07で、3年前の参議院選挙で獲得した19万8,962票、得票率6・43%から、後退する結果となり、議席獲得にはいたりませんでした。

 今回の選挙の結果は、大変に悔しく残念な結果です。日本共産党とすやま候補をご支持いただいた有権者のみなさん、猛暑のなか大奮闘された支持者、後援会員、サポーター、党員のみなさんに心からの感謝を申し上げます。ご期待にこたえる結果を出せなかったことに、お詫び申し上げます。

 党内外のご意見を受け止め、次の県委員会総会でしっかりと教訓を引き出し、次の国政選挙のたたかい、今後の地方選挙のたたかいに必ず生かし、捲土重来を期す決意です。

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 今回の選挙で、愛知県党は、衆議院に続き、参議院でも自公過半数割れに追い込むために、比例での5人全員の当選、そして市民と野党の共闘を追求して32の1人区のうち17の1人区で一本化された候補の勝利、そして定数4の愛知選挙区でも自民、公明の2議席獲得を、すやま候補の勝利で打ち破ろうと訴え、たたかいました。

 その結果、1本化された17選挙区のうち、12の1人区で勝利をかちとり、愛知選挙区でも、公明が議席を失いました。これらは、自公への審判を下すうえでの貢献となりました。

 一方、自民党の補完勢力や、外国人差別を売り物にする排外主義・極右的潮流が議席と得票を伸長させる結果となったことは重大です。愛知選挙区では、国民民主の候補が59万6千票あまりを獲得してトップで当選し、参政党の候補も53万票あまりを獲得して自民党候補を上回る3位で当選しました。

 「既成政党か、新興政党か」という対決構図をつくり、補完勢力と排外主義の立場にたつ政党の消長に選挙戦の争点にあるかのような報道が、一部メディアによって煽り立てられました。それは、選挙戦の真の争点を覆い隠す役割を果たすとともに、わが党の前進を妨げる大きな圧力となって作用しました。

 同時に、わが党とすやま候補がこの逆流ときっぱりとたたかう姿勢を貫いていることが、この現状を憂える人びとのなかに新たな信頼を広げたことは、すやま候補の演説を聞きにこれまで結びついていなかった人が駆けつけたことにもあらわれました。わが党は、補完勢力と排外主義・極右的潮流の危険性を直視し、人間の平等、人権と民主主義を守り抜く立場から断固としてたたかっていきます。

 愛知の比例の得票をみると、自民が大幅に得票を減らし65万1千票、第2党は国民民主党で58万6千票、第3党は46万6千票あまりの参政党で、総選挙の69万4千票から45万5千票に減らした立憲民主党を上回りました。

 排外主義の潮流が台頭している根っこには、暮らしの深刻な困難と政治への閉塞感があります。この潮流を打ち破っていくためには、県民の切実な要求を実現していく展望をしっかりと指し示していくことが必要です。そのためにも、愛知で相互協力、相互支援による本気の共闘をつくりあげていくことが、いよいよ重要となっていると考えています。

 自公と補完勢力、それに立憲民主党も加わる強固なオール与党体制にある県議会、名古屋市議会で、第一党の自民党と連携する公明党の凋落、そして今回あらわれた危険な逆流の台頭。日本の政治が歴史的岐路にあるなか、愛知の政治も歴史的岐路にたたされるもとで、大きな激動がおこっていくことは避けられません。

 排外主義・極右的潮流に正面から対決し、政治の転換をめざす日本共産党の役割は、大きなものとなっています。愛知の政治には、時流に流されず正論を貫く政党がいよいよ必要となっています。愛知県党は、そのことを自覚し、県民とともに、自民党政治に代わる新しい政治を模索・探求する「新しい政治プロセス」を前に進めるために、全力をあげる決意です。

 あわせて、選挙でおこなった政策的訴えは、どれもが県民の願いにかなった先駆的なものだったと考えています。自民党政治の「二つのゆがみ」をただす改革をすすめることこそ、暮らしや平和の危機を打開し、政治の閉塞状況を打開する展望があります。ここの揺るがない確信をもって、あらゆる分野で県民の要求実現の運動をおこし、選挙でかかげた公約の実現に全力をあげます。

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 大企業による経済的、思想的支配が強固にはりめぐらされている愛知では、自民党政治に代わる新しい政治を県民が模索探求する「新しい政治プロセス」を前に進めるためには、質の面でも量の面でも、根本的に党の力を強めていくことが求められます。

 県民の切実な願いにこたえた運動をいっそう強めるとともに、綱領、規約、科学的社会主義、党史の学習を抜本的に強化し、どんな政治的風波のともでも前進をかちとることができる、質量ともに大きな党をつくる――このことを参院選の痛苦の後退から導く最大の教訓として銘記し、奮闘していく決意です。

以上