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愛知県議会「一人会派は任期中1回」異常な質問格差正せ 共産党が会見で提言

質問機会の保障など議会改革を訴える、しもおく県議(左)=28日、愛知県庁

 日本共産党愛知県委員会としもおく奈歩県議は28日、県庁で記者会見し、愛知県議会が一議席の日本共産党を含む無所属議員の質問機会を全国で最も保障していないとして、「全議員への質問機会を保障し、多様性を反映する議会にするべきだ」と提言を発表しました。石山淳一党県書記長、県議団事務局の山口清明氏が参加しました。

 愛知県議会は現在、定数102のうち、9人が無所属(2人は一人会派)です。第3会派の公明(4人)、第4会派の減税(3人)よりも多くなっています。

 日本共産党が議席を回復した4月の県議選後、議会運営委員会が6月14日に開かれ、無所属・一人会派の一般質問について「任期中(4年)に1人1回。1年におおむね2人。各定例会(年4回)1人以内。任期最終年度の2月定例会は行わない」というルールを決定しました。議運には無所属議員は入れず、決定事項として伝えられるだけでした。

 しもおく県議は議運に先立ち、「県民に選ばれた議員は対等・平等。希望する全議員の質問時間を保障するべきだ」と石井芳樹議長に議会改革を申し入れていました。

 党県議団は、全国47都道府県議会を対象に無所属・一人会派の本会議一般質問の回数を調査しました。愛知の遅れが際立っていました。

 40議会では無所属・一人会派の本会議一般質問を年1回以上保障しており、4年に1回は愛知、埼玉、神奈川の3議会だけでした。

 議員全体の平均質問回数と、無所属・一人会派の質問回数を比較すると、愛知が最低でした。愛知では4年間、議員全体で2・7回質問できますが、無所属・一人会派は1回だけ。格差は2・7倍になります。ほかに2倍を超えたのは埼玉(2・2)、沖縄(2・07)でした。27議会は、逆に無所属・一人会派の質問機会が全体平均よりも多いか同じです。沖縄も年1回の質問は保障されており、全体の質問回数が多いことが要因であり同列には扱えません。

 しもおく県議は、「この数字は、少数意見を大切にしているか否か、議会の民主的運営を示すもの。質問回数を極端に制限したことで、会派間の格差が全国一になった。県民の多様な意見を議会に反映させ、首長と対等にわたり合える議会へ、格差の是正・解消は急務だ」と訴えました。具体的には、「定例議会ごとに1日か2日、一般質問の日数を増やし、全議員が年1回は一般質問できるようにする」「無所属・少数会派に質問機会を加重配分し、より多様性を反映する議会にする」ことを提言しました。

 石山氏は、「『4年に1回』とするルールに根拠はなく、不当であり、民主主義のもとで許されない。県民から負託を受けた議員の質問を封じることはあってはならない」と厳しく批判しました。

( 9月30日 しんぶん赤旗)