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戦時中の子どもたちは…当時の絵本・教科書・写真を展示 ピースあいち

戦時中の絵本や教科書などを展示した企画展=5日、名古屋市名東区

 名古屋市名東区の「戦争と平和の資料館ピースあいち」で、子ども企画展「戦争の中の子どもたち・戦争と動物たち」が開かれています。11月26日まで。

 同展では、ピースあいちが所蔵するパネルや書籍、戦争遺品などを展示し、アジア・太平洋戦争中の子どもたちが軍国教育を受け、戦争に協力させられていった暮らしを振り合えります。

 「戦争の中の子どもたち」のコーナーでは、絵本「空ノマモリ」、1943年発行の愛国イロハカルタ「ツギノニホン ボクラガニナウ」、1941年発行の国民小学校教科書「ニフエイ(入営)」、1942年の「大君の へ(辺)にこそ 死なめ」と書いた習字の教科書、少年兵募集のポスターなどを展示。学童疎開や防空演習、空襲で焼けた学校の写真パネル、子どもが遊んだ木製の潜水艦、戦車、軍用トラックなどのおもちゃ、投下された焼夷弾も展示されています。

 展示を見ると、ロシアの侵略によって破壊されたウクライナの街、砲撃で恐怖に震えるウクライナの子どもたちの姿と重ね合わせ、心が痛みます。

 動物も戦争の犠牲になりました。「戦争と動物たち」のコーナーには、全国から軍馬用に十数万頭も集められた馬のパネル写真。大半の馬は生きて帰ってきませんでした。ゾウを守った東山動物園、ウサギの皮で作った軍帽や手袋が展示されています。

 特別展示として「戦争中のごちそう~何を食べていたの?」を同時開催。たくわん、すいとん汁、サツマイモ蔓(つる)のおひたし、それだけの夕食、イナゴや雑草のおかずを紹介。子どもの「お米がなくて今夜はすいとん汁。あーあ、白いご飯がたべたいな。サツマイモの蔓のおひたしは食べ飽きてしまった」の感想文も添えられています。

食品ロスが問題になる現在、今の食事と戦争中の食事を比較し、戦争について考える機会となります。

 「ピースあいち」は、午前11時~午後4時、日・月休館。入館料300円、小中高生100円。連絡先052(602)4222。

(10月8日 しんぶん赤旗)