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不自由展再開を つなげる会 名古屋市長に抗議

 名古屋市が「表現の不自由展」の会場となっていた施設の臨時休館を決め、展示が中止に追い込まれていた問題で、主催団体は9日、展示の再開を求めて、河村たかし市長宛ての抗議文を市に提出しました。抗議文は、正確な情報がないまま市が一方的に施設の利用停止決定を行ったことは表現の自由を侵害するもので認められない、と訴えています。

 抗議文を出したのは、「表現の不自由展・その後をつなげる愛知の会」。中区の市民ギャラリー栄を会場に6日から11日までの予定で「平和の少女像」など「あいちトリエンナーレ2019」で一時中止された企画展「表現の不自由展・その後」の出展作品を展示していました。

 会によると、8日の開場直前の午前9時40分ごろに施設職員から突然、施設の一時閉鎖を告げられ、警察の指示のもと建物から一時退去。施設職員からはその後、不審な郵便物を発見し、警察の判断で退避要請を決定したことや、安全確保のため11日までの全面閉館を決定した旨の説明を受けたといいます。

 会は、市の担当者に抗議文を手渡し、「本当に差し迫った危険があったのか」「このまま開催できなくなったら市が表現の自由の制限に加担したことになる」と訴えました。

 市役所で会見した高橋良平事務局長は、展示再開に向けた協議の場をつくるよう市に要請したことを報告。「表現の自由を市民と行政が一緒になって守っていかなければ、何度も同じことが繰り返される。市長の責務として行ってほしい」と強調しました。

(7月10日 しんぶん赤旗)