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政党、市民が大同団結して河村市長の再選を阻止し、壊された民主主義を取り戻そう――日本共産党の名古屋市長選挙の対応について

2021年3月25日 日本共産党愛知県委員会

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 市長選挙を前に、河村市長が呼びかけた知事リコール署名不正問題は、大量の偽造不正がおこなわれていたことが明らかとなり、民主主義を根幹から揺るがす全国を震撼させる前代未聞の事件へと発展しました。河村市長には、みずから中心となって市民によびかけた署名で、民主主義を冒涜する不正がおこったことへの政治的責任、市民の多くが賛同したかのように装われて市民の名誉を傷つけた道義的責任が、重く問われています。しかし、河村市長は、不正には関与していないと言い逃れ、政治的道義的責任を明らかにし、市民に謝罪する態度をとりません。このような社会的な道義も通用しない人物を、市長に居続けさせて良いのか、また、リコール署名に示された歴史修正主義者を市長の座に居続けさせてよいのか、今回の市長選挙では何よりも問われています。

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 私たちは、昨年来、名古屋市長選挙にのぞむ構えとして、市民と野党の共闘で河村市政を終わらせる立場を明らかにし、市民と野党の共闘となる候補者の擁立に努力してきました。2月26日に、弁護士、大学教授はじめ5氏による立候補要請の公表が行われ、日本共産党としても岩城正光さんが、最適な候補として革新市政の会や市民のみなさんと立候補を要請する取り組みもすすめました。
 こうしたなか、13日に自民党市議団として横井利明市議擁立という記事が出され、16日には正式に横井氏の立候補表明がありました。これを受け、岩城さんからは「多くの皆さんから立候補の要請を受けたことに心から感謝していますが、自分が立候補すれば河村を利することになるので、立候補とはなりません」という返事がありました。河村市政を終わらせるということに強い思いをもつ岩城さんの決断を、私たちとしても重く受けとめました。

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 16日の出馬表明で横井氏は、「すべての市民のために働く決意として自民党を離党する」ことを表明し「自民党が好きな人のためにも、支持しない人のためにも、一つの決意が必要だ。特定の人のために働くつもりはない。河村市長を応援していた方々、全ての方々に連携を呼びかけたい」と立候補にあたっての政治姿勢を明確にしました。また、争点については、「新型コロナウィルス感染症対策は、大きな争点になる。無症状の方もPCR検査を受けられる体制が必要」と検査体制の強化に言及し、くわしい政策については別途、記者会見を開き、明らかにするとしています。
 2月議会では、河村氏が応援した知事リコール署名の不正が明らかになるもと、河村市政の12年間を総括し、追及するとして、自民、公明、民主、共産の4会派による団長、幹事長による協議もおこなわれ、知事リコール問題、名古屋城木造化問題、陽子線ガン施設建設をめぐる訴訟問題などで協力して追及をおこなうという、これまでにない状況が生まれました。
 こうした経緯から、横井氏と日本共産党双方からの要望として市長選挙について協議をおこなうことになり、議会終了後に会い、「『河村市長の再選を阻止し、壊された民主主義と傷つけられた市民の名誉を取り戻す』、『コロナ感染から市民の命と暮らし、福祉を守る』という基本的立場で一致し、文書でもこの2点に横井氏が署名をして合意しました。協議のなかで「私たちも大義にたって行動したい、不一致点があるのは当然だが、市民の意見を聞く態度はとって欲しい」と要望したところ、横井氏からは「当然の態度です」という表明がありました。

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 横井氏とは、大型開発をめぐる問題やあいちトリエンナーレの展示物の評価、敬老パスの利用制限の問題など様々な問題で一致しないことがあります。しかし、河村市長の再選を阻止し、壊された民主主義と傷つけられた市民の名誉を取り戻すという市民が求める大義を果たすためには、この大義の立場で党が求めた基本的態度に合意し、自民党を離党して市民のために働く決意を示している横井氏の勝利をかちとる以外にありません。この市長選挙に市民が求める大義を果たすために、日本共産党として自主的立場で横井氏を支援し、勝利をめざす決断をしました。
 市民がもとめる大義にたって政党、市民が大同団結し、河村市長の再選を阻止する横井利明氏勝利のために、総力をあげて名古屋市長選挙に立ち上がることをよびかけます。

以上