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バイト募り署名偽造 愛知県知事リコール運動 名古屋市長ら責任重大

 河村たかし名古屋市長や「高須クリニック」の高須克弥院長らが呼びかけた大村秀章愛知県知事へのリコール署名運動をめぐって、多額の資金を使ってアルバイトに県民の名簿を書き写させた組織的な犯罪が明らかになりました。

 署名運動を行った「愛知100万人リコールの会」の田中孝博事務局長(日本維新の会愛知5区支部長・予定候補)が16日に記者会見し、中日新聞(16日付)の「名古屋市の会社が人材紹介会社を通じてアルバイトを募集」し、「佐賀市で署名簿に書き写させていた」との報道について、「署名簿が九州のほうでつくられたと聞いている」「佐賀で間違いないと思う」と答えました。事務局の関与は否定しました。

 マスコミ報道などによると、河村市長の支持者が幹部を務める名古屋市の広告会社がリコール関係のはがき配布を下請け会社に委託。下請け会社は昨年10月、佐賀県で多数のアルバイトを雇い、愛知県民の名前が載った名簿を元に、署名簿の書き写し作業をさせていました。河村、高須両氏とも関与を否定しています。

 リコール署名は昨年11月、43万5334人分が県選挙管理委員会に提出されましたが、法定数(約86万人)に満たずリコールは不成立になりました。

 県選管は今年2月1日、同じ筆跡と思われる署名、選挙人名簿に登録のない人の署名など、署名の約83・2%の36万2187人分に不正の疑いがあると発表。15日には大量の偽造が疑われるとして、地方自治法違反で被疑者不詳のまま愛知県警に刑事告発しました。

 署名運動は、あいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」(2019年開催)に展示された「日本軍慰安婦」をモデルにした「平和の少女像」などへの攻撃が発端。「直接請求制度を悪用した民主主義破壊だ」「コロナ禍で署名運動を主導した河村市長の責任は重大」との批判が広がっています。

(2月18日 しんぶん赤旗)