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医療ひっ迫深刻 愛知県保険医協会5回目調査

■ 一般患者の手術遅延・転院困難多数

 愛知県保険医協会が5日に発表した「新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療機関への影響調査」(昨年12月診療分)で、発熱患者の受け入れを行っている医療機関の負担増、手術遅延や病院に受け入れてもらえない多数の事例などが明らかになりました。

 調査は昨年3月診療分から始めて5回目。ファクス登録のある開業医会員(5314人)にアンケートを送付し、今年1月28日までに905件から回答がありました。

 前年(2019年)同時期(12月診療分)と比べた外来患者数は、「減った」という回答が76・5%ありました。前回調査(11月診療分)と同様、依然として多くの医療機関が前年比で減少が続けています。

 発熱患者を受け入れている医療機関からは「新型コロナに関われば関わるほど、一般患者の足が遠のいていく気がする」、「診察、検査、患者への説明が時間内に終わらない。医師、看護師、事務職員が超過勤務になり疲労が蓄積していて、人的、金銭的負担が大きい」、「地域医療を守るためスタッフは使命感を持って医療提供している。長期にわたり心理的にも経済的にも苦しい」と深刻です。

 「飛沫感染を恐れ、一般検査が十分できず、一般患者の診断の遅れや重症化、発見の遅れが散見される」、「骨折患者の手術のための紹介転院先を探すのが困難になってきている」、「変形性膝関節症の手術が2~3カ月待ちの状況になってきた」など手術遅れや転院困難などの事例も多数寄せられました。

■ ワクチン業務への懸念も

 間もなく始まる新型コロナのワクチン接種については「接種に協力したいが、一般診療と同時に100人以上の接種は1人の医師では困難」、「対象者も多く、通常医療、コロナ対応と併せて医療機関の負担増が心配される」、「ワクチンの安全性、供給体制、実施方法などに不安がある」の声があがっています。

(2月10日 しんぶん赤旗)