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保健師 過労死ライン超え 疫学調査も遅れ 増員早く もとむら・しまづ氏に職員訴え

 日本共産党愛知県委員会と、もとむら伸子衆院議員、しまづ幸広前衆院議員は6日、名古屋市内で保健センターの職員と懇談し、PCR検査体制や陽性者受け入れ施設の実態などを聞きました。すやま初美党県副委員長、岡田ゆき子市議、鷲野恵子前県議、山口清明、青木ともこ前市議らが参加しました。

 市は2018年に全16行政区にあった保健所を支所(保健センター)に切り替え、1保健所16支所体制に再編。感染症対策部門は保健センターに残され、保健師が濃厚接触者を特定する行動調整やPCR検査の手配、陽性者の健康観察などを行っています。党市議団の要求もあり、11月補正予算で保健所への看護師配置に予算が計上されています。

 もとむら議員は冒頭、コロナ対応の最前線で奮闘する職員を激励するとともに臨時国会で正規の保険指導員を求めてきたことを報告。しまづ氏は「現場の声を聞き少しでも改善できるよう頑張る」とあいさつしました。

 現場の保健師らは、過労死ラインを超す月100時間超の残業をする職員が出るほど長時間過密労働になっている実態や、人手不足で調査に遅れが出ていることを報告。電話で1~1・5時間かかる行動調査や自宅療養者への健康観察を、検診などの通常業務と並行して行っていると述べ、「高齢者の重症化や若者に感染が広がった『第1波』『第2波』は職員の応援体制で何とかこなしてきたが、『第3波』を乗り切るのは大変。非常時に十分働けるだけの保健師、膨大な書類をつくる事務職員の増員が必要だ」と話しました。

 施設や地域などでの大規模な検体採取については「保険センターの業務と切り離して実施すれば保健所も疫学調査に専念できる」などと訴え。他の問題点として▽換気の状況や座席配置を現地で確認する事務所調査が電話での聞き取りだけになり、感染防止対策が徹底されていないこと▽PCR検査を進める必要がある一方、入院病床が逼迫(ひっぱく)し陽性者を受け入れる場所がないこと▽障害者や高齢者が陽性になり入院できずに自宅待機となった場合、日常的なケアをする体制がなくなり保健師が介護などの対応をせざるを得なくなる可能性があること―などを指摘しました。

 もとむら議員は「問題の根本に国が保健所、保健師、病床を削減し、医師・看護師を抑制してきた責任がある。国の責任でPCR検査の徹底、正規の保健所職員、医療従事者を抜本的に増やす政策を求めていく」と話しました。

(12月9日 しんぶん赤旗)