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戦争と平和の資料館✌愛知で模擬原爆パンプキンの企画展 核兵器被害考える機会に

実物大タペストリーをしめす運営委員の金子さん=9日、名古屋市名東区

 名古屋市名東区の戦争と平和の資料館ピースあいちで9日、企画展「模擬原爆パンプキン―市民が明らかにした原爆投下訓練」が始まりました。8月29日まで。

 同館は、新型コロナ感染防止のため4月4日から臨時休館していましたが、感染防止対策を講じた上で9日から会館しました。来場者には、マスクの着用や社会的距離を維持した観覧などの注意を呼び掛けています。

 同館で「模擬原爆パンプキン」をテーマにした企画展は初めて。

 パンプキンは、1945年8月9日に長崎に投下された原爆「ファットマン」と同型で、重量は1万ポンド(約4・6㌧)、全長3・25㍍にもなる巨大爆弾です。広島・長崎に原爆を投下した米軍「第509混成群団」が訓練として、1945年7月20日から8月14日までに全国30都市49発を投下し、400人以上が亡くなりました。愛知県では、春日井市、豊田市、名古屋市昭和区に投下されています。

 1990年代から春日井市の市民でつくる「春日井の戦争を記録する会」が調査を始め、国会図書館や米軍資料から原爆の投下訓練だったことが判明。全国各地に調査が広がり、被害実態が明らかになりました。

 ピースあいち運営委員で展示責任者の金子力さんは「パソコンもない時代から膨大な資料を市民が一つずつ調査し、広島・長崎につながる投下訓練だったことがわかりました」と強調。「広島、長崎の2発の原爆と、全国各地の49発の模擬原爆は一続きの作戦でした。核兵器の被害、広島、長崎のことを考える一つの視点としてぜひ見に来てください」と話します。

 企画展には、「パンプキン」の実物大タペストリー、福島県・瑞龍寺に保管されている日本最大の破片(長さ50㌢、厚さ3㌢)、米軍資料や全国各地の調査報告などが展示されています。

 「ピースあいち」は地下鉄「一社」駅下車、北へ徒歩15分。午前11時~午後4時。日・月休館。連絡先052(602)4222。

(6月13日 しんぶん赤旗)