ニュース

町工場 コロナで不安「リース代補助を」「給料を払えない」

山積された空のトレーや箱、放置されたフォークリフト=名古屋市南区

 「受注も仕事もない」「社員の給料が払えない」―。新型コロナウイルスの感染拡大により、名古屋市内の町工場の経営者から悲鳴があがっています。

 名古屋市南区の明治・伝馬地域は電子機器や自動車関連の下請け町工場が多くあります。町工場から聞こえる「ガチャン、ガチャン」という製造音が消えています。資材置き場には空のトレーや箱が山積みされ、フォークリフトは駐車場に放置されたままです。

 金属加工会社の社長(64)は「海外から資材は届かない。親会社は休業で受注も仕事もない。社員10人のうち、機械のメンテナンスに交代で1人か2人に出勤してもらい、あとは休み。解雇はせず従業員には雇用調整助成金で給料を払いたい。売り上げはなくても機械のリース代や資材置き場の地代などの出費はある。何か月も続くとたまらない。国はリース代や地代の補助を考えてほしい」と話しました。出勤してきた男性(47)は「4月分の給料は通常の額をもらった。5月以降は心配。休業手当は今の給料の6割と報道されており、それでは4人家族は生活できない。もっと上げてほしい」と訴えました。

 自動車部品会社の経営者(54)は「家族3人を含め従業員6人の会社。3月から開店休業状態で従業員の給料も払えない。親から引き継いだ会社なので金融機関から融資を受けて何とか続けたい。自動車メーカーの休業で一番しわ寄せをうけるのは自分ら3次や4次の下請け。早く終息して仕事を再開したい。リーマンショックの時は『海外企業に対抗するため』と部品単価が引き下げられた。単価引き下げたら融資が返せず倒産する」と心配そうに話しました。

(4月27日 しんぶん赤旗)