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性暴力裁判「痛みに思いはせた」

名古屋高裁での判決を前に行われたサイレントスタンディング=12日、名古屋市中区

 娘への準強制性交等罪に問われた父親の被告に12日、逆転有罪判決を言い渡した名古屋高裁。午後3時の判決に先立って高裁前には、名古屋でのフラワーデモ参加者ら35人が集まり、「よい判決を」との願いをこめ、サイレントスタンディングを行いました。

 午後3時30分、判決を傍聴した支援者らが高裁前で「勝訴」と書かれた花柄の横断幕を掲げ、逆転有罪となったことを知らせると、参加者から大きな歓声と拍手が沸き起こりました。

 性暴力被害当事者等団体「Spring」の山本潤代表理事は、「一審判決では抗拒不能(抵抗できない状態)を認定するハードルが不当に上げられていた。今回、一審の間違いが正された。判決が出たからといって被害者の痛みが解決するわけでないが、痛みに思いをはせてくれた」と強調しました。

安堵と希望

作家・フラワーデモ呼びかけ人 北原みのりさん

 名古屋高裁判決は、一審で抗拒不能ではない証拠とされた「娘が日常生活を送っていた」ことも、それが性被害者の普通、日常なのだと判断されました。被害者からみえる世界を理解している判決です。安堵(あんど)と希望の判決になりました。

 相次ぐ無罪判決に抗議して始まったフラワーデモを毎月、1年間続けてきて、3月8日は47都道府県で呼びかけられました。声を上げれば変えられる。私たちが変えられるのです。

(3月13日 しんぶん赤旗)