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最高裁判決 ノーモア・ヒバクシャ愛知訴訟 原告「苦痛二度と…」

記者会見で語る高井さん(中央)と伊藤勤也弁護士(右)=25日、名古屋市北区

 長崎で被爆した高井ツタヱさん(84)=名古屋市緑区在住=が原爆症の認定を求めたノーモア・ヒバクシャ愛知訴訟の上告審判決が25日、最高裁第3法廷で言い渡されました。判決は「高井さんの経過観察中の慢性甲状腺炎は、直ちに医療行為が必要とは認められない」と原爆症と認定した名古屋高裁判決を破棄し、高井さんの敗訴が確定しました。

 高井さんは姉の山田初枝さん(87)と長崎の爆心地から5・4㌔㍍の自宅で被爆。姉と親類の安否確認のため爆心地から2㌔㍍まで近づき高濃度の放射線を浴びました。山田さんは名古屋高裁で原爆症と認定され、国が上告せず確定しています。

 記者会見で高井さんは悔し涙を浮かべながら、裁判支援のお礼を述べ、「被爆から75年。被爆による病気の悪化や進行について不安を抱えて生きてきました。子や孫への影響も心配してきました。私のような苦痛を再び起こさないよう、この世界から核兵器がなくなることを願っています」と話しました。

(3月26日 しんぶん赤旗)