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「表現の不自由展」中止 作家・観客の権利奪う名 革新・愛知の会など緊急シンポ

緊急シンポジウムで発言する登壇者=13日、名古屋市内

 国際芸術祭・あいちトリエンナーレ2019の企画展「表現の不自由展・その後」が中止に追い込まれた問題を受けて革新・愛知の会など4団体は13日夜、企画展の会場となった愛知芸術文化センター(名古屋市)で緊急シンポジウムを開きました。約200人が参加し表現の自由の保障や、歴史の真実と向き合い未来にいかす大切さを訴えました。

 作家や議員などが登壇。企画展に参加した写真家の安世鴻(アン・セホン)さんは、「作家にとって作品は命であり、自分の言葉です。展示場は表現の場で観客と意見を分かち合う場です。そういった空間が奪われる被害は作家だけでなく観客の権利も奪う事になる。自由で安心した雰囲気で展示できるようにするのが行政の役割だ」と話しました。

 愛知県平和委員会の高橋信理事長は、問題の根底に歴史修正主義があると指摘。朝鮮から日本企業に強制動員された被害者個人の請求権は消滅していないとして、「被害者が救済を求め続けるのは当然だ」と述べ、歴史を作り変えようとする安倍首相を批判しました。

 日本共産党の本村伸子衆院議員は、超党派でつくる日韓議員連盟も慰安婦の尊厳回復に向けて努力することを確認していると強調。「被害の歴史を記憶し、人権のためにたたかい続ける運動を継承することが重要です。被害者を何度も傷つける状況をみんなの力で変えていきたい」と話しました。

 元立教大学特任教授の池住義憲さんは、「若い世代は歴史を知り、解決する責任がある。そのために必要なのが表現の自由だ」と強調。参加者からは、「表現の自由の弾圧に一人ひとりが声をあげないといけない」などの発言が出されました。

(9月15日 しんぶん赤旗)