名古屋市中区で8日、「あいち教育大集会」が行われ、元文部科学省事務次官の前川喜平氏(現代教育行政研究会代表)が来年度から小学校で始まる改訂学習指導要領や道徳教科化の危険性について講演しました。
主催は愛知県民間教育研究団体連絡協議会。教員退職者、学生ら70人が参加。
来年度から小学校英語やプログラミング教育などが導入されます。授業時数の増加や学力テストなど児童・生徒同士の競争、教職員の異常な長時間労働があるなか、現場の負担がいっそう増えます。
前川氏は、「子どもたちが主体的に学び合える学校づくり」を強調。「知識を詰め込むだけの『詰め込み教育』は子どもたちの学力低下を招く。現場の自主性を信じ、文科省に振り回されちゃいけない」と述べました。
道徳の教科化について「使わざるを得ない検定教科書がどれもひどい。元になっている学習指導要領が明らかに憲法の価値観から外れている。『全体のために役に立て』『自分で判断するな』『上の言葉は絶対』という考え方を子どもたちに植え付ける教育は非常に危険」と話しました。
参加していた大学院2年の男性は、「来年から小学校の教員になる。子どもたちを個人として尊重して接していきたい。学びを押し付けるんじゃなく、一緒に学んでいきたいと思える講演だった」と話しました。
講演に先立ち、道徳実践交流会が行われました。
(9月11日 しんぶん赤旗)