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全国2位の財政力を教育・福祉に くれまつ佐一愛知県知事予定候補 県政転換訴え

 愛知県知事選挙が17日告示(2月3日投票)されます。「革新県政の会」(日本共産党も参加)の、くれまつ佐一予定候補(62)=無所属、日本共産党推薦=は、「安倍政権に追随する大村県政の転換が必要です。力を合わせ、大企業・開発優先から、県民の暮らし優先の県政へ変えましょう」と訴え、共感を広げています。

 県知事選は、3期目をめざす現職の大村秀章知事との一騎打ちの見通しです。大村知事は自民党県連や公明党、旧民進党系議員でつくる新政あいちの推薦を受け、安倍政権の「世界で一番企業が活躍しやすい国(県)づくり」に積極的に追随する「愛知版アベノミクス」の推進者。大村県政の8年間で「格差と貧困」が広がり、高すぎる介護保険料や国民健康保険料など「なんとかしてほしい」との声は切実です。

■ 特養数47位

 愛知県は財政力が全国2位にもかかわらず、教育・医療・福祉にかける予算が全国最低レベルを長年続けています。児童・生徒一人あたりの教育費は小学校45位、中学校47位、高校44位、特別支援学校46位。人口10万人当たりの一般病院のベッド数は45位、看護師数は41位、65歳以上の人口10万人あたりの特別養護老人ホーム数は47位です。

 くれまつ予定候補は「県の姿勢を転換し、予算の使い方、優先順位を変えれば、下位脱出は十分できる」と強調します。

 大村県政は県民が高すぎる国保料に悲鳴をあげているのに、県の国保補助金をやめてしまい、その一方で大企業には補助金を与えています。県立学校の老朽校舎を放置しながら、採算見込みのない大規模国際展示場にづくりに熱中しています。

 県の子ども医療費無料制度は、通院が小学校入学前まで。市町村からは「県が中学校まで無料にすれば、自治体負担でさらに医療費無料を拡大できる」と声が上がっています。

 愛知県医労連の矢野彩子さん(38)は「看護師不足で現場は深刻です。県は国任せで看護師数の目標も持っていない。患者の命と安心を守るために、医療・福祉充実させる、くれまつ知事を実現したい」と話します。

 くれまつ予定候補がネットで拡散した「高校の汚いトイレ」が話題になり、さっそく県政を動かしました。県は県立高校と特別支援学校の約5300基を洋式化すると表明しました。日本共産党のわしの恵子県議が県議会で何度も県立高校の和式トイレの老朽化を追及し、革新県政の会が要望していたものです。

■ 現場感覚で

 大村県政が安倍政権と一体となって推進してきた「リニア・ジェット・FCV(燃料電池車)」は巨額の予算をつぎ込みながら不調です。県が53億円もかけた航空ミュージアムも入場者が目標を下回り、新聞にも「低空飛行」と書かれました。大村知事は、三菱重工小牧南工場をF35戦闘機の整備拠点にする計画を容認。核兵器禁止を求めるヒバクシャ国際署名に応じようとしません。カジノ誘致を検討しつつダンマリを決め込んでいます。

 くれまつ予定候補は、安倍9条改憲ストップ、消費税増税反対、労働者の権利を守る先頭に立ってきました。「ものづくりあいち」を生かし地域経済の活性化をはかる、非核・平和を世界に発信する、カジノ誘致には反対、大型開発を見直すと公約に掲げています。

 外国人実習生の相談や派遣切り支援など労働問題、貧困問題に長年取り組んできた実績があります。過労死裁判などをともにたたかってきた樽井直樹弁護士は言います。「くれまつさんは、労働組合のリーダーにとどまらず、県民の立場に立って考え、現場感覚で行動できるリーダーです。安倍暴走政治から県民を守る知事にふさわしい人物です」。

(1月11日 しんぶん赤旗)