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豊かな三河湾を未来に アサリ不漁・後継者問題の実態 すやま参院愛知選挙区予定候補が漁師と懇談

 すやま初美参院愛知選挙区予定候補は、「愛知の魅力発見」の2回目として11日、アサリ漁師4人と懇談しました。不漁や後継者問題の実態、国や県に対する要望を聞きました。前田修市議の案内で造船所や加工場なども視察しました。

 愛知県のアサリ漁獲量は8282㌧(2015年)、全国シェア60%はトップで一大産地となっています。そのうち西尾市を含む西三河地域で9割近い漁獲量を誇っています。栄養豊富な水が山から流れてくる三河湾ですが、ここ数年、外来種のカイヤドリウミグモやツメタガイなどアサリを捕食する生物が増加。アサリの漁獲量は年々減少しています。

 漁師は口ぐちに「増やそうと稚貝をまいても、成長する前に食べられる。まるでエサをあげてるようだ」、「若者を雇えず、後継者もいない」など深刻な実態を訴えます。

 アサリ漁20年の斉藤桂祐さん(44)は「多い時は10分で2㌧とれたが、今は1時間半で5㌔。力仕事だが、周りの漁師も青年を雇うことができない」と話します。

 カイヤドリウミグモは、2007年に東京湾で確認され、生息域を広げています。漁師らは漁具を改良し、ウミグモの駆除に取り組んでいますが、効果的な対策は見つかっていません。漁師は「三河湾のアサリは丸々としておいしい。ウミグモもおいしいものを知っている」「日本の食卓からなくさないように、国や県は大学や研究所と協力して、一刻も早く対策を講じてほしい。漁師はみんな泣いてるよ」とすやま予定候補に要望しました。

 すやま予定候補は、下奥奈歩県議が三河湾再生に向けて質問し、県が調査を始めたことを紹介。漁師も「やっぱり共産党はすごいな。海のことも勉強してる」と述べ、「下水がきれいになったが、きれいすぎるのも問題。海に栄養が届かず、プランクトンが増えない。なんとかしてほしい」と話しました。

 漁師は、不漁が続くアサリ漁から、トリガイ漁に移っている人が多いと述べ、「漁獲量が急増し、価格が暴落している。市場に出すためには加工も必要で、手間がかかる。こちらも厳しい状況」と語りました。

 すやま予定候補は「食料自給率をあげるために共産党は農林水産政策に力を入れています。不漁のときこそ、最低価格保障や収入保障が必要です。漁師の技術と知恵、そして多様性豊かな三河湾の自然を未来へつなげるために大企業、大開発優先の国政、県政を変えなければいけません。みなさんの声を必ず国会に届けます」と強調しました。

(5月15日 しんぶん赤旗)