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中部電 新入社員過労パワハラ自殺 労災認定求め提訴

 中部電力の新入社員、鈴木陽介さん(当時26歳)の自殺は、過大な業務や上司のパワーハラスメントが原因だとして15日、母親が国を相手どり、労災による死亡と認めなかった労働基準監督署の処分取り消しを求め名古屋地裁に提訴しました。

 訴状によると、男性は2010年4月に中部電力に入社。三重支店に配属され、大手企業などに電力効率化などの提案を行う仕事に従事しました。新入社員で教育中の立場であるにもかかわらず複数の大手取引先の主担当を任されたうえ、会社からの教育支援態勢も得られませんでした。さらに上司から「こんな図面なら小学生でも書ける」「おまえなんかいらない」「やめてしまえ」などの暴言を浴びせられるパワハラを受け、業務上の心理的負荷により精神障害を発症。入社7カ月後の11月1日、自死しているところを発見されました。

 母親の吉田典子さん(55)は13年、津労働基準監督署に労災申請しましたが、請求は認められませんでした。

 提訴に先立ち裁判所前で開かれた集会には、多くの支援者らが駆けつけました。吉田さんは「息子は本当にやりたいことがいっぱいある子でした。最後に息子と電話した方々に、あすから会社に行きたくない、という言葉を聞いた。少しでも息子がどんな思いでいたのかを知りたい」と訴えました。

(6月17日 しんぶん赤旗)