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定時制・通信制高校の説明会 生徒自身が生き生き語る

 
 愛知県の公立高校の出願が2月から始まるのを前に、「定時制・通信制高校を知ってほしい」と15日、愛知県半田市で「わたしの生きる学校~公立の定時制・通信制高校説明会」が開かれました。外国籍中学生や母親ら20人が参加しました。あいち定時制・通信制父母の会や定時制高校教員らでつくる実行委員会の主催。

■ 愛知・半田 父母らが開催
 説明会では1993年2月から始め、今年で通算62回目を迎えました。説明会では在校生徒や卒業生や教師が学習状況や学校生活について語り、受験方法や転編入など個別相談会もおこないました。

■ 進学へバイト
 定時制高校2年生の女子生徒は学校の楽しさを生き生きと語りました。「中学校は不登校でした。もう一度やり直したいと思い入学しました。勉強に付いていけるか心配でしたが、中学の復習から始め、スローペースで教えてくれて助かりました。年配の大人の同級生もいて、社会的マナーなど学べて助かります。高校卒業したら進学したいので飲食店でアルバイトして、お金を貯めています」。4年前に定時制高校を卒業した保育士も楽しかったと言います。「私も中学校は不登校でした。子どもが好きで保育士になりたいと思っていたので、高校に進学し、保育短大に行き保育士資格を取得しました。周りの人は『定時制は大変ね』と言いますが、高校の思いでは楽しいことばかりです」。
 定時制高校の特徴について、2人の教師が説明しました。「赴任校の生徒の6割が小中学校で不登校を経験。外国籍の生徒も増えています。経済的事情で全日制高校に行けなかったり中退した生徒もいます。これらの生徒は学習意欲が強く、中学校の学習の遅れを取り戻し、グングン成長していきます」。「外国籍の受験者を対象に入学検査で漢字にルビをふっています。日本語が苦手でも安心です。定時制高校は給食があります。愛知県は全国で数少ない自校方式です」。

■ 生徒の居場所
 相談会では、母親が「子どもは中学校にほとんど行っていない。受験しても大丈夫だろうか。入学しても対人関係が心配」などと質問。教員は「入学検査は学校によって様々。基礎学力検査がなく、面接と作文のみの高校もあります。家庭環境など様々な事情の生徒がいます。多くの生徒にとって学校が『やすらぎの場』、『自分の居場所がある』を心がけています。そのなかで基礎学力をつけていきます」と答えました。
 愛知県内で2017年度の入学者を募集する公立の定時制は、県立28校、名古屋市立2校、豊橋市立1校の計31校(51学級、2040人)です。通信制は県立2校(約560人)です。

 同実行委員会は22日(日)午後1時から名古屋市中区の名古屋市立中央高校で同様の説明会を開きます。問い合わせは、あいち定時制・通信制父母の会事務局052(684)4630へ。
(1月20日 しんぶん赤旗)