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戦争法反対の思い形にして 毎週100軒かかさず訪問

 
 戦争法廃止のための野党共闘を地域から起こそうと活動するグループ「野党共闘サポーターズ」が名古屋市中川区で産声をあげました。雨の日も風の日も毎週欠かさず2000万署名の訪問・対話を繰り広げています。(吉岡淳一)

 「人の命を殺(あや)めることだけは絶対やめてほしい」。今月9日、サポーターズの各戸訪問で62歳の女性が真剣なまなざしで2000万署名に応じました。訪問したのは、保育士の小林久仁子さんとIT系企業で働く30代前半の男性。二人が「憲法9条を持つことで日本が世界から尊敬され、相手国が日本のことを攻めてはいけない国だと思われるようになるといいですね」などと話します。署名に応じた女性は「9条だけは何としても守って。中国や北朝鮮を理由に防衛強化すれば相手も武力を加速させ、切りがない」と訴えてきました。

■ 立場超えて結成
 サポーターズ結成は今年1月23日。戦争法廃止のために地域からできることはないかと中川区の有志が立ち上げました。
 サポーターズは、?野党は共闘する、?連合政府をつくる、?戦争法(安保法制)を廃止する―3つを目標に掲げています。趣旨に賛同する人なら区民以外でも参加できようにしました。大学教授、会社経営者、保育士、年金生活者、ママさんなど幅広い立場の70人弱が加わっています。中心メンバーの後藤政則さんは「今まで活動に関わったことがないような人が立ち上がっている」といいます。
 大学教授の山川美登里さんもその一人。戸別訪問で最初は手も足も出なかったといいます。仲間の対応を見ているうちに、あいさつの切り出し方などを身につけ「今では署名のプロになったかしら」と笑みを浮かべます。
 サポーターズは訪問日前に、組織の趣旨を伝えるビラと2000万署名用紙をセットで毎回100世帯に配布しておきます。訪問する日付・時間帯、連絡先の添付も欠かしません。事前に署名用紙を届けてあるので、説明する手間もはぶけ深い対話も期待できます。留守宅だった相手から「署名を取りにきてくれ」と連絡がくることもあります。

■ 自民党関係者も
 自民党の後援会に携わっているという人とも対話に。「自分は党派が違うから署名はできないと思っていた」という相手に、安保法に反対する人なら誰でもOKという趣旨を語ると署名してくれました。
 犬の散歩中やバス停待ちの人、休憩中のタクシー運転手など街頭で見かけた人に声をかけると「意外と反応がいい」とも。区内の企業に就活中という学生4人と対話になり、3人が署名に応じてくれることも。
 後藤さんたちにとって地域行動は住民との公約。「仕事の都合で参加しにくい人に合わせて行動日を調整しています。訪問時間まで約束しているので毎週欠かさず行動する緊張感があるんです」
(4月14日 しんぶん赤旗)