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乗客あふれるホーム 電車に乗りきれない アンケートに利用者の悲鳴

JR蟹江駅、早急に改善を

 
 「駅のホームが狭く混雑時は人で溢れ、線路に落ちそうになって怖かった」 ― 。JR東海の利用者アンケートで改善を求める声が一番多かった関西本線「蟹江」駅(愛知県蟹江町)。朝のラッシュ時には、上り(名古屋方面)ホームが通勤客であふれていまます。

ホームには駅員も不在

 蟹江駅のホームは細長く、幅は狭い所で2メートルほどしかなく、点字ブロック(黄色い線)から後ろの壁までは1?余しかありません。列車を待つ人ですぐにいっぱいになり、後から来た人は点字ブロックより線路側をあるかざるをえません。そこに電車が駅敵を鳴らしながら入ってきます。客は慌てて下がりますが、大変危険です。駅員は改札口にいますが、ホームには配置されていません。

 アンケートには切々と書きこまれています。「対策を急がないと転落事故や人身事故が起こる」「殺人ホームだ」「4両編成では乗れない時がある。朝夕のるラッシュ時は8両、両編成にしてほしい」「単線のため運行本数が少なく混雑に輪をかけている。関西線の複線化で混雑緩和を」「車内は満員で、吊革もつかまるところもない」。

 蟹江駅から名古屋駅まで通勤している男性(47)は話します。「関西線は単線のため1時間に4~5本の列車しか走らず。ホームがすぐいっぱいになる。ホームの拡張や複線化には時間がかかると思うが、せめて8両編成にすれば混雑が緩和できるのでは。混雑時にはホームに駅員を配置すべきでしょう」と話しました。

 利用者アンケートを実施したのはJRの安全、サービスの向上をめざす東海の会(村上俊雄代表)。2005年のJR西日本の福知山脱線転覆事故を機に、毎年実施し、今回で10回目。

 東海4県と長野県の木曽地区など87駅を利用する412人から回答がありました。

 利用駅で回答が一番多かったのが蟹江駅で39人。次いで19人の武豊線「亀崎」駅(愛知県半田市)、同じく武豊線の「半田」駅(愛知県半田市)、「東浦」駅(愛知県東浦町)が続きます。

利用者軽視 無人化批判

 武豊線で多かった要望は「最寄り駅で定期券が買えなくなり半田駅まで行かなければ買えない」「バリアフリー化してない無人駅が増え、障害者やお年寄りが使えなくなった」など。電化から1年半。電化にともない始発駅の大府駅と半田駅以外の全駅が無人駅になったことが原因です。

 ほかの路線でも「私鉄に比べ、可動式ホーム柵の設置が遅れている」など、利用者を警視するJR東海の経営姿勢に批判が相次ぎました。

 もう一つの特徴は、リニア中央新幹線への批判です。81人から意見が寄せられ、71人(87%)が否定的でした。「各地の新幹線開通で在来線が切り捨てられた。リニアでも同様になると思う。一部の人のために庶民の交通手段を奪うな」「ニリアをやめて事業費を駅の安全対策に使え」「わずかな時間短縮のために環境が破壊されるのはごめん」など。

 同会はアンケート結果を受け、国交省中部運輸局へJR東海の安全とサービス改善を求める要請を行いましや。JR東海へは郵送で改善を申し入れました。

(12月17日 「しんぶん赤旗」東海・北陸信越のページより)