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輸入食品安全性に懸念

あいち食農健が見学・学習会

 
 日本の食糧、農業、健康を考える愛知の会(あいち食農健)は11月9日、名古屋港に輸入される食品の倉庫などを見学・学習会をおこない、市民ら50人が参加しました。

 見学者らは、あいち食農健の土井照雄幹事の案内で、輸入食品が置かれている冷蔵倉庫を訪れました。倉庫には、玉ねぎ、ごぼう、レンコンの水煮などの野菜類が保管されていました。倉庫職員は「なかなか出ないもので、3カ月前に来たものもある」と述べると、見学者は驚きの声をあげました。

 学習会では、元名古屋市食品監視員だった、あいち食農健の中嶋久興幹事が講師を務めました。「名古屋港に輸入される食品のうち、検査できるのは10%未満。行政による検査は2~3%にすぎず、残りの7~8%は民間による書類検査」「TPP(環太平洋連携協定)によって、輸入食品が増えれば検査できないものがもっと増える」と食卓の安全を守る水際作戦が機能しきれていない実態を報告。

 さらに「食品の添加物で、表示されているのは2割程度。遺伝子組み換えは、食品の安全性をおびやかすだけでなく、環境生態系を荒らしている」と食品の安全性や健康や環境被害の懸念を示し、「地産地消や国産のものを買うことでTPPに反対を示すことにつながる」と話しました。

 学習会に参加した土井澄子さんは「輸入食品のほとんどは外食産業に使われると知り、外食したくても安全か考えてしまう」。60 代女性は「輸入食品の保存方法など知らないことが多くいい機会になりました」と語りました。

 見学会は、今年で30年目を迎え、これまで約2万7000人を案内。食品の安全性を求める見学者の声から、輸入食品の野積みを改善させるなど要求前進してきました。

(11月12日 「しんぶん赤旗」東海・北陸信越のページより)