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西三川の”うまい”を奪うTPP  交渉から撤退し支援を

たけだ・すやま参院予定候補が農業者らと懇談

 
 環太平洋連携協定(TPP)で愛知県西三河の農業はどうなるのか、日本共産党のたけだ良介参院比例予定候補、すやま初美選挙区予定候補は23日、岡崎、西尾、碧南の3市を視察し、農業者・消費者と意見交換しました。

 岡崎市額田で乳牛40頭・仔牛30頭を飼育している片岡幸雄さん(県酪農組合代表監事)の牛舎を訪問。たけだ氏、すやま氏は、酪農をつづけていく上での苦労があればと懇談しました。片岡さんは「アベノミクスの円安で飼料代が3、4割値上がりした。えさはほとんど輸入頼みなので利益が出ない状態だった。いまも収支はトントンぐらい」といいます。

 額田地域では30軒あった酪農家も、いまは片岡さんだけ。「経営が大変だから後継者も育たない」とのべ、TPPは、いまでも苦しい日本の酪農を破壊するものだと窮状を訴えました。

 絞りたての牛乳をご馳走になった、すやま候補は「生クリームみたいになめらかで甘い」と感激。日本農業を破壊するTPP交渉撤退へ決意を新たにしました。

安全安心が自慢

 碧南市では下島良一市議の案内で農地を視察。下島市議は農家の不安を代弁します。「碧南はニンジン、タマネギの産地だが、TPPで米価が下がれば他の地域の稲作農家がコメだけでなくタマネギなどもつくるようになるだろう。そうすれば野菜がだぶつき価格低下で碧南農家が打撃を受けないか心配する声が出ている」

 西尾市では、食糧・農業・健康を守る西尾の会(西尾食農健)のメンバーら20人と懇談。同会は1ヘクタールの畑から採れた遺伝子組み換えなしの安心・安全な菜種油が自慢です。

 石原政敏会長は「菜種は環境にやさしい油になるし、搾りかすは肥料にもなる。この油でディーゼル車を走らせる運動もやってみたい」といいます。

 参加した女性は「米国では豚や牛を太らせるために抗生物質を使っているとの報道がある。TPPで安い肉が入ってきたら、消費者は1円でも安くと思って買い物をするので不安です」とのべました。

政策転換が必要

 たけだ予定候補は「米国大企業のもうけ優先の姿勢を日本に持ち込んではいけない。農業は作物を作るだけでなく、緑のダムといわれる保水機能など多面的な役割がある。工業製品を輸出し経済を回せばよいとの安倍政権の発想を改めさせるためにも、私たちの運動で包囲していきましょう」と訴え。

 すやま予定候補は「農業でもうかる仕組みがないと後継者も育たない。大規模経営だけを応援するのでなく、家族経営の農家を支援する施策も必要」と政策の転換を強調しました。

(9月25日 「しんぶん赤旗」東海・北陸信越のページより)